『ウォール・ストリート』
| ||
- 2012/03/25(Sun) -
| ||
『ウォール・ストリート』
ウォール街における老舗金融機関同士の争いを サブプライム危機という舞台を通して、若手エリート社員の目で描きます。 金融トップは、それぞれのキャラクターにモデルがいるような物語展開でしたが、 このあたりの丁々発止の描き方は、さすがのオリバー・ストーン監督です。 連邦準備制度理事会での迫力あるやりとりは面白かったです。 マイケル・ダグラス vs ジョシュ・ブローリンが凄かった。 一方、若手エリート証券マンを演じるのはシャイア・ラブーフ。 私の金融エリートのイメージは、見た目は爽やかにスマートだけど 眼光だけはギラギラしているというもの。 それに比べると、シャイア・ラブーフは、ちょっと頼りなげな印象が。 監督のテンポ良い演出で、それなりには見えてましたけどね。 そして、その彼女は、元大物投資家のマイケル・ダグラスの娘。 しかし、インサイダー取引で8年も服役していた父親には拒絶感バリバリ。 幸せな結婚と、その父親との親交を得たいシャイア・ラブーフは、 父娘の間を取り持つ努力をし、娘に隠れて父と積極的にコンタクトを取っていきます。 このサブストーリーが、普通の投資モノとは異なる味付けだったのでしょうが、 娘の行動が、なんだか腑に落ちないんですよね・・・・・。 あんなに毛嫌いしている父親の仕事と同業の男を彼氏に選んだり、 聞く耳もたずの状態だったのに、特に劇的でもない会話で父親と距離が縮まったり、 離婚だナンだと騒いでいたのが終息するのが急展開だったり・・・・・。 よく分からない女の子でした。 というわけで、取引の切った張ったは面白かったのですが、 彼ら金融マンを支える家族の描き方がワケわかんなかった作品でした。
|
||
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
| ||||
- 2010/11/09(Tue) -
| ||||
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
言わずと知れたサイコ映画ですが、 映像で遊び過ぎてて、あまり残るものが無かったなぁ・・・。 ウディ・ハレルソンがとにかく格好良い。 眼差しの強さとか、不敵な笑みとか、イイ! ただ、生放送でペラペラと話し始めたのには、ちょい興ざめ。 のらりくらりと質問をかわす傲慢さも見たかったです。 ストーリーのほうは、人がたくさん死んでいくだけで、 特段、これといったものはなし。 終盤の脱獄シーンはわくわくしたけど、ちょい冗長かな。 殺人鬼と化した理由に迫ることもなく、 (ま、理由があったら「ナチュラル・ボーン」では無いのですが) 映像の過激さを取り除けば、結構、淡々とした作品でした。 あと、トミー・リー・ジョーンズのダサさに笑いました。 こんな役もできるんですね。
|
||||
『Uターン』
| ||||
- 2010/06/19(Sat) -
| ||||
『Uターン』
オリバー・ストーン×ショーン・ペンということで、 期待して観始めたのですが、私には合いませんでした。 なんだか、B級サスペンスみたいな感じで。 出てくる登場人物たち、 みんな思考能力が低いのに、背伸びして凄いことをやろうとするんですよね。 身の程知らずにも程があるって感じで、イライラしてしまいました。 ただ、アリゾナの砂漠の「カラッと」を飛び越えた異常な環境に置かれて、 人間たちの頭の中が、だんだん溶けていっているのではないかという じとーっとした不快感の表現がお見事。 お見事すぎて、やっぱりイライラ(苦笑)。
|
||||
『ブッシュ』
| ||||
- 2010/01/26(Tue) -
| ||||
『ブッシュ』
O.ストーン監督によるブッシュJr.の映画。 息子のほうが大統領になったとき、 経歴や政治手腕とかはよく知らなかったのですが、 「こんな、ほわんとした顔つきの人で大丈夫なのかしら?」と 見た目の印象で心配してしまったことを覚えています。 しかし、この作品で、彼の人柄と言いますか、人物像はわかりました。 突っ走る性格、無軌道な学生時代、父親との確執、妻のサポート・・・ 大統領としての人格の形成過程がわかってきました。 そして、イラン侵攻に対して難しい理屈をこねまわすのではなく、 「自由」「民主主義」「復讐」というような非常に単純明快な言葉で 開戦の理由を形成していきます。 あぁ、あのワンフレーズ首相と気が合うのは、こういうことか・・・と納得。 そして、この思考方法を、説得や言い訳の手段・方便として活用しているのではなく、 心の底から「自由が一番」と信じ切っているということに驚き、 また、これも納得できてしまいました。 この人だからこそ、あの戦争を始めることができたんだと。 あの戦争については賛否両論(最近では否ばっかり?)ありますが、 歴史の一つに刻まれる決断となったのでしょうし、 その決断がなされたからこそ、良くも悪くも今の世界があるという このことを、私たちは負っていくしかないのでしょうね。 キャスティングは、かなり、外見にもこだわっていて、 見ていて面白かったです。 また、それぞれの口癖もあるようで、アメリカ人ならもっと笑えたんだろうなと 悔しいところですね。 それにしても、あの年で”Pappy”って・・・(爆)。
|
||||
『ミッドナイト・エクスプレス』
| ||||
- 2010/01/07(Thu) -
| ||||
『ミッドナイト・エクスプレス』
AmazonでもYahooでも評価が高いようなのですが、 私にはダメでした。 主人公に感情移入できないんです。 トルコからアメリカに戻る際に、 出来心で麻薬2kgを密輸しようとして逮捕される・・・・ 当たり前じゃん!って思っちゃったんですけど。 そして禁固4年2か月の実刑判決。 これも当然の刑でしょう。 ここまでのところで、トルコ司法の判断に違和感を持つところは何もないんですよ。 外国人差別による不当に重い刑でもなさそうだし、 ましてや無実の罪なんかでも無い。 なのに、主人公は、全く反省なし。 そして、その父も、息子の犯した罪を責めること無く、 いかに早く脱出させるかしか考えていない。 収監後は、看守の暴力的な行為があったり、不衛生な環境だったり、 政治的利用による判決の破棄+刑期が5倍に・・・という 不当な処置はありましたが、なんだか入り口のところで、 「自業自得じゃん」って思ってしまったので、あまり同情心が湧いてきませんでした。 あと、トルコ人をやたら粗暴な感じに描写しているのも気になりました。 アメリカ人の中東への差別的な視線を感じてしまいます。 30年前の世界情勢を理解しているわけではないので、 私の感じ方には偏りがあるのだと思いますが、 それにしても・・・・という印象でした。
|
||||
| メイン |
|