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『阿呆の鳥飼』
- 2016/02/06(Sat) -
内田百閒 『阿呆の鳥飼』(福武文庫)、通読。

お、百閒先生だー!と思って買ってきたのですが、
まさかの小鳥話押しで、さすがに途中から食傷気味になってしまいました。

ここまで鳥好き、小動物好きだとは思いませんでした。
少年のままお爺ちゃんになっちゃった人なんだという思いを新たにしました。

ここまで動物に時間とカネを費やしていたら、
そりゃ懐も寂しくなりますわなぁ・・・・・・という感じで、
借金を背負う人のアンバランスさを百閒先生の人生に見てしまった気がします。

自分がもっと歳を重ねて、
ゆったりとした生活をするようになったら、
この随筆集に見るような暮らし方に共感できるようになるのでしょうかね。

鳥の話を一冊にまとめるというのは、
百閒先生のアイデアというよりも、出版社側のアイデアのようなので、
ここまで類似テーマの文章を固め打ちにして本にするというのは、
著者の望んだことなのかな・・・?と思ってしまいました。


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『百鬼園随筆』
- 2011/07/04(Mon) -
内田百 『百鬼園随筆』(新潮文庫)、読了。

百先生の随筆集。
過去に読んだ『阿房列車』とは異なり、
まさにテーマの縛りのない随筆集。

これぞ、百先生を堪能できると思ったのですが、
なんとなく、まとまりがない印象を受けてしまって、乗り切れませんでした。

しかも、ちょっと借金の話が多くて、読んでいて気が滅入ってしまいました。

うーん、おかしいなぁ。

寝苦しい夜中に読んだのがよくなかったのかしら?


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『第三阿房列車』
- 2010/03/27(Sat) -
内田百 『第三阿房列車』(新潮文庫)、読了。

これまでの『阿房列車』の中で、一番面白かったです。

遠出の旅から、近郊の千葉への旅、
初めての場所から、馴染みの八代まで、
多種多様な旅路で面白かったです。

また、狐に騙されたり、猿に後をつけられたり、ライガアを想像したり、
なんともファンタジーなところもあって、摩訶不思議。

そして、いつものヒマラヤ山系さんとの
噛み合わない会話が、のほほんと繰り広げられていきます。

「どうしたんだ」
「はあ」
「何をしていたの」
「なんにもしていませんよ」
「顔が長いよ」
「僕がですか」

無目的の旅にお似合いの、意味のない会話です(笑)。


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『第二阿房列車』
- 2009/12/03(Thu) -
内田百 『第二阿房列車』(新潮文庫)、読了。

阿房列車の第二弾。

北へ南へと列車での長旅は、いずもれも無目的。
ただ、列車に乗ることがお楽しみという、マニアの極致にいる百先生。

雨降りの旅が多いようで、
ヒマラヤ山系くんを雨男呼ばわりしていますが、
そういう百先生こそ雨男なのでは・・・・・。

そして、その山系くんとの会話が、相変わらず妙です。
噛み合わなさ、それでも飄々と話す姿は最高です。

また、いろんなところで登場してくる見送り人やお迎え人の渾名が面白いんです。
某を分解して「甘木くん」とか。
『吾輩は猫である』みたいな薫りがします。

あわせて『第三阿房列車』も買ってきたので、こちらも楽しみです。


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『第一阿房列車』
- 2007/09/30(Sun) -
内田百 『第一阿房列車』(新潮文庫)、読了。

以前、神田の古本屋で見つけた三笠書房の『阿房列車』は
三千円近い値が付いていて、手が出せませんでした。

ところが、新潮文庫で出ているのをブックオフで発見!
100円で読めることに感謝!!

紀行文の名作とされているようですが、
私には、なによりもヒマラヤ山系くんとの会話が面白くてたまりません。
ボケにボケを重ねるくせに広がらない会話・・・。
しかもそのやりとりを還暦のお爺ちゃんと、若い国鉄マンがやっているのですから、
何とも言えない味わいがあります。

そして、紀行文とされながらも、百先生、相当な毒舌。
観光は行き渋るわ、温泉は好きじゃないわ、宿の朝食は食べないわ、
食べたら食べたで8割がたは「まずい」のひと言。
褒めることがほとんどないのに、旅はなんだか楽しそうです。

「無用の旅」ができるほど、
どーんとした心構えの人間になりたいですが、
まだまだその境地には至れなさそうです。


第一阿房列車 (新潮文庫)
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