『ヤッさん』
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- 2015/04/18(Sat) -
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原宏一 『ヤッさん』(双葉文庫)、読了。
料理コンサルタント的な立場で 有名店の調理場を出入りするホームレスのヤッさん・・・・・・。 うーん、話は面白いのですが、設定に無理があるかなぁ。 築地市場の人々の人情話とか、 韓国料理屋のオモニとの昔話とか、 蕎麦屋での修行話とか、 料理人の世界の裏側が覗けるのは興味深かったのですが、 なにぶん、ヤッさんの存在にリアリティを感じられないというか・・・・・。 唐突に登場してきて、しかもその存在が当たり前の前提になっているというか、 読者が「なるほど、こういう存在もありえるのかぁ」と納得する間もなく 物語が展開していってしまうので、なんだかヤッさんの存在に疑問を覚えたままになってしまいます。 ちょっと焦りすぎな印象を受けました。
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『姥捨てバス』
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- 2010/03/22(Mon) -
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原宏一 『姥捨てバス』(角川文庫)、読了。
老人問題をシニカルに扱った本作は、 「姥捨て」という激烈な表現と、それを笑い飛ばす元気なおばあちゃんたち、 でも、その心の底には不安を抱えていて・・・・という 虚構の中にリアリティを感じさせるものがありました。 それに加えて、旅行業界の免許制度を暴いてみたり、 副次的な要素も面白かったです。 主人公がウジウジ系だったので、 イマイチ乗り切れないところがありましたが、 相棒は旅行業界どっぷりのイケイケ君で、 そのバイタリティあふれる行動は、面白かったです。 思いのほか、真面目に語る件もあったりして、 予想よりも重い印象のお話でした。 特に、最後がね。 ちょっと、しんみりしちゃいました。
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『天下り酒場』
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- 2009/12/09(Wed) -
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原宏一 『天下り酒場』(祥伝社文庫)、読了。
『床下仙人』に比べると、 ちょっとパンチが弱いかなぁ・・・・という印象です。 設定は面白いのですが、 オチが読めてしまう作品が多かったです。 ま、でも、気楽に読めて面白かったです。
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『床下仙人』
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- 2009/08/07(Fri) -
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原宏一 『床下仙人』(祥伝社文庫)、読了。
作品のことも著者のこともよく知らないまま読み始めたのですが、 これは面白かったです。 マイルドな筒井康隆という印象を受けました。 何よりも、物語の設定が斬新です。 床下に男が住みついているなんて・・・・・。 その不思議な状況を、あんまり違和感をもたないままに 「こんな世界もあるのかな・・・」と読ませてしまうのは この作家さんの力かなと思います。 他の作品も是非読んでみたいですね。
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