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『ガーディアン』
- 2019/03/08(Fri) -
石持浅海 『ガーディアン』(光文社文庫)、読了。

幼い頃に父を病気で亡くした少女には、
少女が「ガーディアン」と呼ぶ不思議な力が働いており、
少女に害を与えようとする人間がいると、その加害者に攻撃をしかけて排除する。

設定は非常にSFチックというか、非現実的なものなので、
普段の自分なら引いてしまう可能性が高いのですが、
なぜか本作は面白く読めました。

この「ガーディアン」という存在そのものを主役にしたSFファンタジー作品ではなく、
前半は、そういう設定を生かした推理もの、後半はアクションサスペンスに仕上がっていて
それぞれに配置された謎や危機的状況をどう克服するかという点に軸を置いて
読むことができたからかなと思います。

あぁ、引っかかるところは多々ありましたよ。
例えば、いい年した大人達が「ガーディアン」の存在を素直に受け入れていることや、
受け入れた後も主人公との人間関係を基本的に維持しているところなど、
「こんな変なことが起こってるのに、良く付き合えるなぁ」と思ってしまいます。

前半では、とある企業の業務改善プロジェクトチームに招集された主人公が
チームメンバーと帰宅途中に、メンバーの一人が階段から転落死。
事故か自殺かでみんなが推理を働かせる中、主人公はガーディアンのせいだと思い、
亡くなったメンバーがなぜ自分に危害を加えようとしたのか悩みます。

石持作品なので、当然のことながら悩む姿が理屈っぽいですが、
まぁ、でも、当人としては悩むわなぁと共感できました。
ただ、真相については、ちょっと捻り過ぎじゃないの?という、いつもの石持作品への感想。

後半は、この少女の娘が主人公。
母と同じく「ガーディアン」に護られています。

で、遭遇するのはテロ資金を調達するために銀行強盗をしでかした一団。
逃走中の車両トラブルで郵便局に逃げ込み、そこに居合わせた少女ら客と職員が
立てこもりの人質となってしまいます。

ここで、少女と銀行強盗たちとの知恵比べになるのですが、
少女は「ガーディアン」の力を使って状況を好転させようと無暗な行動をするのではなく、
あくまで1人の人質として冷静に事態に立ち向かおうとします。
このキャラクターに好感を持ちました。

強盗側にも1人冷静な人物がいて、
こういう危機的状況でも冷静に観察して分析し行動できる人間になりたいなと思います。
テロリスト稼業には興味ないですが。

石持作品には、時々こういう変化球の作品があるので、
結局、文句言いながらも読んじゃうんですよね~。




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『君の望む死に方』
- 2019/01/19(Sat) -
石持浅海 『君の望む死に方』(祥伝社文庫)、読了。

毎度毎度「理屈っぽい!」と文句を言いながら読んでいる石持作品ですが、
これはもう、タイトルからして理屈っぽさが滲み出てます(苦笑)。

ガンで余命半年となった大企業の社長。
創業仲間だった男を殺してしまったという過去を持ち、
その息子は今や自分の会社の従業員。
社長が個人的に開く研修会の場に招き、息子に自分を殺害するよう差し向ける・・・・。

過去の罪を背負い殺されたいと願う男、
復讐を誓う男、そして、その復讐を止めるために陰で邪魔をする人間。
物語の大きな枠組みは面白いと思うんですよ。
でも、それを小説にした時のストーリーの部分が、やっぱり納得いかないんですよね。

最初、てっきり、社長は同僚の息子に対して、
この研修の間に自分を殺せと持ち掛けているんだと思ったんですよ。
殺す機会を与えるから、きちんと完全犯罪になるように考えろよという課題なのかと。

ところが、何もそんな段取りは踏まずに、ただ研修会に受講生として呼んだだけ。
これで、「あの男は、いつ俺を殺しに来るだろうか、どんな方法で殺すだろうか」と
ずっと心の中で期待と不安を抱いて待っているのですが、
そもそも、「あの男は俺を殺そうとするだろうか?」という疑問があるべきではないかなと。
過去に何度も殺されそうになってるなら、最後のチャンスとばかりに襲い掛かってくるのは
予想できますが、今まで耐えに耐えていた男が、ここで暴発するか分からないですよね。

そして、殺人の狂気になりそうなものを、あえて研修施設の中に用意しているのですが、
花瓶とか、アイスピックとか、壁時計とか、なんでそんな凶暴で証拠が残りやすそうなもの
ばかりを選ぶんだよ!?と。
研修施設内でアイスピックで刺して、返り血とかあるだろうに、どうやって逃げるの?と。
そもそも、アイスピックで殺人って、簡単にできるの?失敗しないの?と。

邪魔をする役割の人物の視点からの推理は、
まぁ、理詰めだとそうなるわねという説得力はありましたが、
この話の持っていき方で、殺意なり被殺意なりを拭い去れるのかというと
そこはちょっと疑問。
冷静すぎるというか、冷たいんですよね。
頭では理屈は分かっても、腑に落ちないんじゃないかなと思ってしまいました。

というわけで、また理屈っぽい、理屈っぽいと文句を垂れる読書となりました。
それでも読んでるんだから、自己責任ですわね。




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『Rのつく月には気をつけよう』
- 2017/10/13(Fri) -
石持浅海 『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)、読了。

石持作品の理屈っぽさ全開!
楽しい飲み会の席で、ここまで理屈で責められると
揚げ足取りされているような気分になるのでは?と思わずにはいられません(苦笑)。

大学時代からの親友3人。
社会人になってもコンスタントに集まり、おつまみとお酒を持ち寄り、
1人ゲストを招いて飲み会を開く。
その席でゲストのちょっとした一言から、思いもよらなかった真相が見えてくる・・・・。

安楽椅子探偵の変わり種という感じでしょうか。
話の内容だけで、もっと言ってしまえば気になる一言だけで、
本人も気づいていなかった真相を当ててしまう推理力は凄いの一言ですが、
そんなこと、ほじくり返さなくてもいいじゃない・・・・という話も多く、
やっぱり理屈っぽさが目についてしまいました。

お話ごとに、ちょっと変わったおつまみとお酒の話が出てくるのですが
おつまみ情報は面白かったです。
銀杏がおねしょに効くとか喘息に効くとか知らなかったです。
チーズフォンデュも、そういう作り方なのかぁと初めて詳しく知りました。
自宅飲みの小ネタ収集には良い本かもしれません。


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『顔のない敵』
- 2016/05/07(Sat) -
石持浅海 『顔のない敵』(光文社文庫)、読了。

対人地雷を取り扱う世界が舞台で起きた殺人事件についての連作短編集。
冷静に考えると、このNGOの周りで殺人起き過ぎだろ!ということになりますが
ま、そこはご愛敬。

本作では、地雷というのは、単なる小道具として出てくるのではなく、
「一度埋めたら半永久的に殺傷能力を発揮する」
「誰が埋めた地雷の被害に遭ったのか分からない、味方の地雷かもしれない」
「地雷は殺すことが目的ではなく、大怪我を負わせることが目的、怪我人搬送で兵力を使わせる」
「地雷を製造する会社が、地雷を除去する技術を提供し、二重に儲ける」
これらの戦争における狡猾な戦略を下敷きに、
目の前で起こる殺人事件にも、この戦略や思想を反映させていきます。

これにより、物語の世界観が非常に深いものになっていると思います。
端的に表現すると「社会派サスペンス」ということなのでしょうが、
それ以上に、「対人地雷とは何か」ということを日本の読者に理解させるという
大きな役割を担っているように感じました。

相変わらず登場人物は理屈っぽいですし、
殺人の動機もリアリティに欠けるところがあると思いますが、
本作に関しては、「対人地雷」にまつわる理解が深められたので
興味深く読むことができました。

なのに、最後に収録された著者の処女作は、対人地雷の話と無関係。
せっかくの連作短編集としての世界観が、最後に損なわれてしまいます。
ここに収録した理由は、「ここで入れておかないと日の目を見なさそうだから」という
非常に自分勝手な理由。
読後感を既存してまで処女作品を収録するのは、著者の思い上がりではないかと感じました。


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『君がいなくても平気』
- 2015/08/29(Sat) -
石持浅海 『君がいなくても平気』(光文社文庫)、読了。

やはり石持作品は理屈っぽい!(苦笑)

でも、本作がそれなりに楽しめたのは、
恋人の殺人容疑を知ってしまった彼氏が主人公、
しかも、ラブラブではなく、とりあえず付き合っているという惰性感満載なカップル。
この微妙な人間関係が、なかなか面白い味付けになっています。

自分の恋人が犯人だと知っていながら、同僚の犯人探しに付き合う主人公。
あーでもない、こーでもないと言いながら、恋人を守るふりして自分の保身に走ります。
しかし、主人公の周りの人間たちは、意外とクールな大人振りを発揮し、
主人公の思うようには反応してくれません。
このあたりの駆け引き(というか主人公の独り相撲ですが)が、
頭でっかちな作風とマッチして面白かったです。

恋人が主人公と思わせておいて、実はどんでん返しがあるのではないかという期待もあったのですが
なるほど、そういう展開で来るのかぁ。

ちょっと変化球でしたが、いつもの直球でくどい石持作品より
こういう作品の方が好きかもしれません。


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『心臓と左手』
- 2014/06/25(Wed) -
石持浅海 『心臓と左手』(光文社文庫)、読了。

初めて読んだ石持作品に探偵役で登場した座間味くん。
その彼を安楽椅子探偵のポジションで活用した短編集です。

石持作品でちょっと苦手な面は、
登場人物たちの理屈っぽさにあるのですが、
短編集だと、それほど負担に感じずに読めますね。
特に、安楽椅子探偵モノだと登場人物も場面設定も限られてくるので、
非常に読みやすかったです。
座間味くんというキャラクターにも合っている気がしました。

また、座間味くんに謎を持ってくる大迫氏は警察の人間なのですが、
各短編の中で、「真犯人を逮捕」「過去の事件の再捜査を開始」といった
現実的な価値判断を下させずに、「真相はこうですよ、でも、もう過去の話じゃないですか」
といった曖昧な終わり方で各章を締めてしまうのも、
この作品には合っているように感じました。

座間味くんというのは、ちょっと斜に構えた視点で世間を見ているところがあり、
結構、割り切ったものの考えをするキャラクターとして描かれています。
座間味くん視点で、時事問題を扱ったエッセイを書いてみるのも
面白いかも・・・・と思ってしまいました。

非常に、キャラクター、構成、展開がしっくりとはまっている佳作だと思います。

最後に収録された「再会」という短編は、
『月の扉』の後日談という位置づけのお話ですが、
私的には、これは要らなかったかなと。
短編集としてのバランスを最後に崩してしまっているような印象を受けました。


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『セリヌンティウスの舟』
- 2014/02/08(Sat) -
石持浅海 『セリヌンティウスの舟』(光文社文庫)、読了。

読み終えての最初の感想。
うーん、こんな理屈っぽいダイバー仲間は要らないな(爆)。

石持作品らしい理屈っぽさ全開。それは私の苦手とするところなのですが(苦笑)。

石垣島で荒れた海上を2時間漂流するという事故に遭遇した6人組。
その時の経験から深い絆で結ばれ、信頼できるダイビング仲間となっていたが、
ある日、6人で部屋飲みをした日の夜、雑魚寝をする中で1人が自殺した・・・・・。

もうね、「みんながいる部屋で自殺しよう」と思いつく時点で
ダイビング仲間としては、「超迷惑なヤツ」ですよ!
独り善がりな世界観に巻き込むんじゃない!と。

ところが、このお仲間たちは、彼女の遺志とでも言わんばかりに
自殺の真相を議論し始めるんですよね。

石持作品でいつも気になるのは、こういうところ。
「死」とか「生命」とかを、議論の「材料」にしてしまうところ。
感情を置き去りにして、みんな「理路整然と考えること」に熱中しちゃうんですよね。
これで友人なのか???と、いつも疑問を抱いてしまいます。

本作では、途中で1人が「こんな議論は無駄じゃないか」という意見を出しますが、
それも随分後になってから。なぜ最初にそう感じる人が出ないのか非常に疑問。

あと、本作に関していえば、
これだけの事故に遭いながら、事故の日の夜には「また皆で潜りに来よう!」と
あっけらかんと決めている神経も、ダイバーとして理解できません。

さすがにここまでの遭難事故に遭ったことはないですが、
先日、グループの1人を海中で見失って、
他のボートに拾ってもらってたことが後で分かったときには、
自分たちは安全な側に居たとはいえ、ゾッとしましたよ。
そして陸に上がってから即座に反省会。ガイドが全員の行動を確認。
ロストしちゃった人が、まだ初心者レベルだったので、
特にバディと、アシスタントができるプロレベルのメンバーには、
いつ、どこで、どのようなポジション取りをして、どこまでその子を見ていたのか、
どこで見失ったのか、そりゃ一生懸命反省会をやりましたよ。みんな萎れながら。

もうひとつ。
石垣島まで来たら、海が荒れてても、勿体無いからダイビングする!
これも半信半疑。
ダイバー側には、そう思う人が居るのは事実。特に始めたばかりの人は。
でも、現地のショップや船長の判断は、結構シビアです。
伊豆大島や八丈島で、「この海じゃぁ無理そうだな」と思いつつも、
念のため「潜れませんかねぇ?」と聞くと、「ダメ!」「無理!」の一言で終わりです。
その明快な言葉をもらって、こっちも納得。だって、目の前で海が荒れてるんですもの。

台風が来ていることが分かると、こちらが島に行く前から
「海が荒れて湾内しか潜れないかもしれませんけど、島に来ますか?」と
ご丁寧にも確認の電話が来たりします。それでキャンセルしたこともあります。
ま、私は沖縄では潜ったことないので、過当競争の沖縄なら、
本作のような展開もありうるのかもしれませんが・・・。

てなわけで、不満があれこれ溜まる作品でした。


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『アイルランドの薔薇』
- 2010/08/28(Sat) -
石持浅海 『アイルランドの薔薇』(光文社文庫)、読了。

今まで読んだ石持作品の中で、一番面白かったです。

これまでクローズド・サークルものに対して、
どうしても、環境設定の不自然さが気になって仕方がなかったんです。
「嵐の山荘パターン」などが、ご都合主義に思えてしまうのです。

ただ、今回は、北アイルランド紛争という斬新なテーマを用意することで、
その不自然さを見事に克服し、
また、物語の背景に厚みを加えられているように思います。

武装組織が標的にされた事件なのに、
あっさりと外部犯行説の可能性が消されてしまったことは
さすがにリアリティの無い展開だと思わずにはいられませんでしたが、
そこに目をつぶれば、良くできていたと思います。

アイルランド人の中で日本人が探偵役をやるという展開も、
普段、なかなか結びつきが無さそうな国同士の文化の接点が垣間見え、
異国文化の中での日本という視点も楽しめました。

文化という点でちょっと気になったのは、
アイルランド人のクラーク夫人が、お詫びの気持ちを伝えるために
「深々と頭を下げた」と描写されたシーン。
欧米人に、お辞儀の文化ってあるのかしら?と、ちょい疑問。

いずれにしろ、これが長編処女作とは、驚きです。


アイルランドの薔薇 (光文社文庫)
アイルランドの薔薇 (光文社文庫)石持 浅海

おすすめ平均
starsアイルランドの歴史がわかる本
stars画期的なクローズド・サークルの創り手の第一長編
stars石持浅海の処女長編
starsおもしろかった
stars自然な密室

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『水の迷宮』
- 2010/02/03(Wed) -
石持浅海 『水の迷宮』(光文社文庫)、読了。

以前、『扉は閉ざされたまま』を読んだときにも感じたのですが、
どうも、この作家さんの描く「正義感」とか「情熱」とかが
歪んでいる気がしてならないんですよねー。

人の命と夢とを天秤にかけたとき、
私の天秤は人の命がガクンと沈むのですが、
この作家さんの作品では、夢のほうが重くなる、少なくとも天秤は揺れるんです。

この感覚が、どうも読んでてしっくりこないんです。

本作の結末の付け方もそうですが、そこまで至らなくても、
なぜ脅迫事件が発生した段階で水族館内にいるお客さんを避難させないのか。
例えば、館長個人がそう判断するのは、ありうると思いますよ。
個人の思いもあるだろうし、立場もあるだろうし。

ただ、あれだけの人数の人間がいて、
全員が「避難させる必要はない」と判断してしまうのは、現実的ではないと思います。
犯人から警察の関与はNGだとほのめかされていても、
お客を避難させることはNGではなかったのですから。

夢が大きすぎて視界不良を起こしている人間しか登場しないのでは、
ちょっと読んでいて疲れてしまいます。

あと、どうでもよいことですが、
イルカショーの餌にボラを丸ごと一匹というのは、大き過ぎやしませんかね?
野生では食べるんでしょうけれど、ショーで投げ与えるのには如何かと・・・・。


水の迷宮 (光文社文庫)
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おすすめ平均
starsひょっとして確信犯? 「感動」の真意
stars美しい謎とは思えない
stars人間の良心を信じたい人は、どうぞ!
starsミステリーではなく、人間物語として読んで。
stars辛さが伝わってこない

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扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)
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おすすめ平均
starsできるだけ長く“密室”のままで
stars軽く読める本格ミステリー
stars期待を裏切らない読みやすさです
stars変則の密室(動機は伏せられたまま)
stars古畑任三郎が好きな方にお勧めです

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『扉は閉ざされたまま』
- 2008/12/04(Thu) -
石持浅海 『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)、読了。

会話をベースとした犯人と探偵役の頭脳戦という設定が面白かったです。
また、動機の面も斬新で。
(それで友人を殺すのか?は別として)

ただ、一点腑に落ちなかったのは、
なぜ「急病」という可能性が出てきた段階で
部屋に押し入ろうとしなかったのかということ。

いくら歴史のある高級な建物であったとしても、
人の生死がかかっているなら、
しかも、赤の他人ではなく大学時代をともにした仲間のことなのに。

この薄情さだけは納得できませんでした。

そして、探偵さんが最後に選ぼうとした結末も、薄情極まりない。
この最後の行動で、探偵さんの魅力がマイナスになっちゃいました。

筋は面白いけど、登場人物たちに共感できないという作品でした。


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