『ガールズ・ブルー』
- 2016/02/18(Thu) -
あさのあつこ 『ガールズ・ブルー』(文春文庫)、読了。

あさのあつこと言えば野球小説というイメージだったので、
女子高校生たちが主人公の小説と聞いてピンとこなかったのですが、
読んでみたら、しっかり青春小説でした。

オチコボレ高校の女子高生たちが登場しますが、
つい良い子ぶってしまう子、病弱で入退院を繰り返すけど言葉は毒を吐く子、
本当におバカだけどテキ屋の商売が板についている子、
いろんなタイプの子が登場し、それぞれの視点で社会を見ているので
子供っぽい会話の中にも、鋭い指摘が含まれたりしていて面白いです。

そして、やっぱり登場してくる甲子園出場を目指す野球少年。
この純朴な感じがまた、かわいらしいんですよね。

オチコボレ高校と言いながら、
しっかり自分の人生を歩んでいる彼女たちが羨ましくも感じられる小説です。


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あさの あつこ

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『ラスト・イニング』
- 2014/11/15(Sat) -
あさのあつこ 『ラスト・イニング』(角川文庫)、読了。

『バッテリー』シリーズのその後を、
ライバル校の先輩・瑞垣の目で描いた作品。

シリーズの最終巻を読んだのは、もう4年半も前のことになってしまいました。
続編についていけるか不安に思いましたが、
読み始めると段々と思い出すことができ、その世界観が蘇ってきました。

ただ、シリーズで描かれた場面を振り返る展開が多いため、
この作品を単独の小説としてみたときには、
短編としてはちょっと物足りないと思ったものもありました。

瑞垣のキャラクターは、目端が利いて、頭の回転が早く、照れ屋で、
非常に面白い人物に仕上がっています。
しかし、ちょっと思索の言葉が中学3年生~高校1年生のものではないような・・・・。
深みを持たせすぎて、この年代ならではの繊細さが消えてしまっているような印象です。
ちょっと、そこは残念でした。
キャラクターに背伸びさせすぎたということでしょうか。

それにしても、この作品に登場してくる野球少年たちの何と純粋なことでしょうか。
野球への情熱、チームメイトへの思い、対戦相手への敬意、
こんな少年時代を送れることをうらやましく思います。


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『バッテリーⅥ』
- 2010/02/12(Fri) -
あさのあつこ 『バッテリーⅥ』(角川文庫)、読了。

いよいよ最終巻、決戦の時です。

巧と豪の間に空いた隙間は、埋めることができたのかどうか、
ちょっと読みとりにくいところもありましたが、
海音寺や吉貞が上手く埋めてくれたということでしょうか。

吉貞は、野球の動きを見る目が優れていますが、
それ以上に、空気を動かす力に長けています。
こういう人材が活躍できる組織は強いんだろうなと思ってしまいます。

そして海音寺の抱える思い。
巧と豪に向けて少し過剰になってしまっているところもあったようですが、
瑞垣とのコミュニケーションでコントロールしていこうとする
自制力もなかなかのもの。

それぞれが、それぞれのポジションで、それぞれの思いを持って挑んだ試合。

是非とも、その試合を最後まで描いてほしかった・・・というのが
野球ファンとしての慾でした。
せめて、門脇の第一打席だけでも、最後まで・・・。

第一球の結果を伝えることで、
あとは読者の想像に任せるということにしたようですが、
私は最初、「描くのから逃げたな・・・」と思ってしまいました。

彼らの成長ぶりは、試合開始までに十分描いて見せたので、
そこがメインのお話だったという解釈もできるでしょうけれど、
反面、いろんな立場の人物の思いを深く描きすぎたことで、
収拾がつかなくなってしまったんじゃないかなと
裏を読みたくなってしまいます。

てなわけで、若干のモヤモヤ感が残ってしまっていますが、
そこから先は夢の中で見ましょうということで・・・。


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stars豪がどこかへ行ってしまった
stars試合結果は二の次で、巧と豪の成長していく姿を描きたかったのだろう
starsあさのさんの思い入れと偶像が物語として像を結ぶ。
stars子どもたちの成長に驚きです。
starsあさの先生お疲れ様です!

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『バッテリーⅤ』
- 2010/02/06(Sat) -
あさのあつこ 『バッテリーⅤ』(角川文庫)、読了。

Ⅳ巻は敗戦をひきずった重い内容でしたが、
Ⅴ巻では再試合に向けて前向きなところが出てきたので、
読んでいてしんどいと思うところは少なくなりました。

が、バッテリーの関係が完全修復されたわけでもなく、
どこかチグハグな感じが残っています。

これは、巧が、キャッチャーではなく、豪という人間のことを考え始めたから。
ものすごい内面の変化だと思います。

そして、その豪はというと、
自分の軸をブラさないだけの強さを備えて、
本当に信頼できる男に育っているなと、頼もしいです。

特に、巧に説教するシーン。
ものすごく納得。

吉貞、東谷、沢口といった仲間や、
海音寺という包容力のある先輩、横手二中の面々に囲まれ、
2人の変化していくさまが良く描かれています。

端垣のキャラクターが、少し暴走させすぎかなと思う面もありましたが、
おかげで次の試合の楽しみが膨らみました。


バッテリー〈5〉 (角川文庫)
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おすすめ平均
stars読ませる力はあるが
stars児童文学ならそれらしくあってほしい
stars巻末の横手2中のバッテリーの物語がいい
stars個人的にすごく好き
stars瑞垣の本音

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『バッテリーⅣ』
- 2010/01/11(Mon) -
あさのあつこ 『バッテリーⅣ』(角川文庫)、読了。

この巻は重かったです。

Ⅲ巻の終わり方として、さぁ試合だ!という状況だったので、
ワクワクしながらⅣ巻を開いたのですが、淡々とした導入部分で??

「あぁ、試合から少し経った時点を描いてるんだ」とわかったものの、
で、試合の結果は?

回想として試合のシーンが出てくるのですが、
天才肌の投手の女房役に限界がきて、それが原因で天才が大崩れ。
バッテリーの存続問題にぶつかってしまいます。
まさに試練。

この試練となった試合を、回想シーンで、なおかつ対戦相手の目から描くという
間接的な手法をとったことで、バッテリーが感じた衝撃の大きさを
上手く描写していると思います。この描き方には感心。

そして、今回は、相手への理解共感力、理解共感志向、理解共感後の行動というような
観点から、人と人が関係するとはどういうことかを教えてくれます。

ひたすら真摯に相手に向き合う豪や門倉には見えないことを、
少し距離を置いておちゃらける余裕のある吉貞や瑞垣には見えていて、
しかも、状況を上手くコントロールしていく力がある。

おちゃらける力とは、ただふざけているだけではなく、
心に余裕を持ち、またその余裕を相手に与えられるということなんだとわかりました。
緊張感の中のユーモア、う~ん、どこぞの芸人さんのようだわ(笑)。

一方で、大人が手を差し伸べてあげられる限界というものも見せられたような。
監督は豪の置かれた立場を理解しながらも、それに対して「やめる」という
選択肢しか与えてあげられない。

たとえ子どもであっても、自分の心は自分で整理して、
自分で決断しなくてはいけないんだということが良くわかりました。
周りがしてやれるのは、選択肢を増やしてあげることだけ。

いろいろ、読み応えのある巻でした。


バッテリー〈4〉 (角川文庫)
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おすすめ平均
stars限界を見つめる
stars終わりの始まり
stars才能を持つ者と持たない者
stars何処となく中だるみ
stars打ち止め

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『バッテリーⅢ』
- 2009/12/17(Thu) -
あさのあつこ 『バッテリーⅢ』(角川文庫)、読了。

内部騒動のせいで、活動停止処分を食らった野球部。
野球そのものとは関係のない障害をどう乗り越えるのか・・・・。

体制側の活動停止を命令した人間として校長先生が登場しますが、
決して官僚的な措置をする人ではなく、
学校という組織の運営や、健全なクラブ活動というものを
バランスよく捉えた上での判断をしていると感じました。

この手の本では、超保守的なガチガチ人間か、
物分かりがよすぎるすり寄り型人間が登場しやすいと思うのですが、
なかなか興味深いキャラクター配置になっていたと思います。

戸村先生や小野先生が、良き理解者に過ぎるので、
サポートがありすぎて物語が物足りなく感じる部分はあるのですが。

また、登場人物たちの逡巡の様子や、
決心を固めたポイントなどが丁寧に描かれていて、面白かったです。

いよいよ次は真剣勝負のシーンですね。
楽しみです。


バッテリー 3 (角川文庫)
バッテリー 3 (角川文庫)
おすすめ平均
starsこの巻で挫折
starsややストリーに不自然さを感じますが、面白いですよ
starsちょっと残念
stars一気読み
stars青波の言葉がとても美しい

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『バッテリーⅡ』
- 2009/10/02(Fri) -
あさのあつこ 『バッテリーⅡ』(角川文庫)、読了。

早速2巻目を読んだのですが、
中学校に入学した巧たちは、いきなり「ルール」「決まり」の壁にぶつかります。
こういう、野球以外のシーンでも、
「教育って何なんだろう」「校則って何なんだろう」「協調性って何なんだろう」
という問いかけが刺さってきます。

一方、野球部の方はというと、
これまた、野球好きばかりで構成された野球部ではないところがミソ。
内申書のために野球部で真面目に頑張るという
ある意味、非常に目的意識を明確に持った子供たち。

こんな部活動のお話、今まで読んだことがありません。
でも、これが現実なのかも。

地方都市の学校って、学校数が少なくて選択肢が無いから、
都市部に比べて一つの学校に在籍する生徒の幅が広くて多様性があり、
だから雑多なものをまとめるのに、校則やルールが無闇に厳しくなって、
そうすると激しく反発する者も出れば、ルールに迎合する者も出る・・・・。

なんだか、地方の学校のほうが、歪みが多いような気がします。
少年犯罪も地方都市で起こっているようなイメージが・・・・・。

野球部内での陰湿な嫌がらせ行為は、
思いのほか早く、教師に見つかるという状況に至ったのですが、
これで問題解決なのか、次への伏線なのか、
第3巻が気になるところです。


バッテリー〈2〉 (角川文庫)
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おすすめ平均
stars巻末のあとがきに作者の思い入れがあふれて
starsまったくすごい小説だ
stars人間関係
stars尾崎豊が読んだら
stars危ない巧にハラハラドキドキ

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『バッテリー』
- 2009/09/13(Sun) -
あさのあつこ 『バッテリー』(角川文庫)、読了。

ついに、このシリーズに手を出しました。

児童文学というと灰谷作品を真っ先に思い浮かべるので、
「純粋無垢な子供たち」と「それを取り囲む温かい大人たち」という
先入観を持って読んでしまったのですが、
よい意味で裏切られました。

なんとも食えない主人公なのです。
自分の投球に完璧な自信を持ち、その反動で、他人への興味関心は無し。

この強烈なキャラクターが
バッテリーを組む豪や、弟の青波、祖父の洋三などとの関わりの中で
自分を見つめなおして成長していくストーリーなんだろうな・・・・と想像。
(本作では出合ったところまでしか描かれていないので)

これは、続きが楽しみですね。

ちょっと難をつけるのであれば、
この田舎町に引っ越してくるまでは、
主人公・巧は、ほんとうに完全無欠の自信家だったようなのですが、
この町に来てから、他人の言動がちょっとずつ気になるようになってきたみたいです。

その変化の直接の切っ掛けがあまり具体的に描かれていないというか、
さらっとしていたので、なぜ変化があったのかがイマイチ掴みきれませんでした。

まぁ、環境が変わって、人間関係が変わって、
その中で見えてきたもの、感じたものがあったのでしょうけれど。

そういう部分の描き方は、
作品が進むごとに上手く馴染んでいくようになっていくでしょうから、
今後に期待ですね。


バッテリー (角川文庫)
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おすすめ平均
stars強烈なキャラが大きな魅力
stars不満が残る作品ではあるが、荒廃した世相に対する一服の清涼剤となったのであろう
stars無理
stars野球好きにはオススメできない
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太陽の子 (角川文庫)
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stars著者の経歴を知っていますかね
stars語りたくないけれど大事な過去
stars読みやすいです。元気なふうちゃんが良い!
stars大人こそ読んでほしい
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