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高田本山 『仏涅槃図』
- 2022/03/17(Thu) -
高田本山 『仏涅槃図』

仕事でぽっかり時間が空いてしまい、
たまたま1週間限定で公開されている巨大な涅槃図が見られそうだということで
真宗高田派の本山である専修寺に行ってきました。

実は、三重県立総合博物館での企画展『親鸞 高田本山専修寺の至宝』で一度見ているのですが、
やっぱり美術館での展示よりもお寺での公開でしょう!ということで、再見です。

駐車場に近い唐門から入りました。
ちゃんと山門から入りなさいよ!とお𠮟りを受けそうな適当さ(苦笑)。

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めちゃめちゃ空がきれいな日でした。
まずは右の御影堂から参拝し、続いて左の如来堂へ。

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この如来堂の中に、涅槃図が展示されていたのですが、
天井の梁から吊るされ、畳の敷かれた床まで伝わる巨大な涅槃図。
まさにこの空間に奉られることを考えて作られたんだろうなと思えるようなジャストサイズ。

写真撮影は私的利用の範囲内でOKでしたのでパチパチ撮ってきました。
でも、WEBへのアップは禁止ということで、ここには掲載できませんが、
その巨大さと色鮮やかさの迫力に圧倒されました。

作者は、丸山応挙との言い伝えもあるようですが、正確には不明とのこと。
釈迦如来の穏やかなタッチ、その周囲で悲しみに暮れる弟子たちの力強いタッチ、
そして、説法を聞きに集まっていた動物たちの伸びやかなタッチ、
それらの描き分けも面白かったです。

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建築物の重厚さにも触れてきました。
信徒の方たちが今も日々の信仰に集まられていて、
単なる観光地ではない、今も信仰の地として存在しているお寺の姿にも感動しました。

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あと、如来堂の工事が進まないため、自らの命を投身したという勘六にちなんだ松の根には、
今も松脂が流れ出ていて、命の不思議さを感じました。



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「災いはモノノケとともに」
- 2017/10/18(Wed) -
「災いはモノノケとともに」

斎宮歴史博物館で開催中の「災いはモノノケとともに」をテーマに、
みえミュージアムセミナーが開催され、
その講演を聞きに行ってきました。

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古典や絵巻物の中に登場する
モノノケたちの様子や人間との関わりを見ていくことで、
人間が何を畏れ、何を大切にしてきたかを知ることができます。

文化が中国からもたらされるとともに、
モノノケの存在も中国からもたらされたようで、
畏れるという概念が輸入により強化されていったように思い、
そこを興味深く感じました。

幸せを絵にすることは難しいというか
バリエーションがあまりないように思いますが、
恐ろしさ、モノノケのバリエーションの豊富さよ。

信仰による社会統制は、恐れや畏れがあると
強化しやすいということも良く分かりました。

もっと多様なモノノケの描写を見たいと思わせる
面白い企画でした。

講師の同博物館学芸員の船越重伸さんの
ウィットに富んだ語り口も魅力的でした。
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「川喜田家と江戸」展
- 2017/08/01(Tue) -
「川喜田家と江戸」展

石水博物館に行ってきました。

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伊勢商人として、お江戸の大伝馬町で活躍した川喜田家の様子を
当時の錦絵や川喜田家に残る帳面から辿っていきます。

歌川広重が描く江戸の風景に、
普通に「菱形に川」の川喜田家の印が登場しており、
まさに江戸の活気のある町のど真ん中に店を構えていたんだなということが
良く分かります。

堅実な伊勢商人らしく、当時の帳簿が残っているのもさすがですが、
店における訓示なども、商売人としての心構えを示すもので
興味深かったです。

2階には、川喜田半泥子の焼き物が展示されていましたが、
相変わらず、焼き物の世界は、私には良く分からず・・・・(苦笑)。

でも、実業と芸術と両方を充実させた大人物だったということは
しっかりと伝わってきました。


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徳川美術館
- 2017/04/19(Wed) -
ナゴヤドームに野球観戦に行ってきました。
お昼前に名古屋に着いて、まずはドーム近くの徳川美術館へ。

尾張徳川家2代目の隠居邸宅があった場所ということで、
門は残っているようですね。

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中の建物は新しくて立派です。
園内も広い!

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尾張徳川家に伝わる品々が展示されており、
国宝なども何点かありましたが、
基本的に武具や調度品などが多く、絵画は少なめ。
というわけで、私の好みからは少し外れてましたが、
長女の結婚祝いの調度品などを眺めてると
徳川家の威力というものが良く分かります。

徳川美術館 20170419 (5) (576x1024)

企画展として『金と銀の国ジパング』を蓬左文庫で開催しており、
こちらは、まさに、金銀が煌めく宝物の数々でした。
正直こちらも、あまりキンキラキンの世界は興味がないので
芸術面ではそれほど惹かれませんでしたが、徳川の財力が伝わってきました。

徳川美術館 20170419 (10) (1024x576)

最後に、徳川園の中を散策しました。
結婚式の写真撮影が何組も行われており、
快晴の庭園内は明るく賑わっていました。

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『すばらしい三重の文化財Ⅱ』
- 2017/02/12(Sun) -
『すばらしい三重の文化財Ⅱ』

仕事で県の総合文化センターに行ったのですが、
帰りに向かいのMieMuに寄ってきました。

無料展示で『すばらし三重の文化財Ⅱ』をやっており、
そこで曽我蕭白の屏風絵が見られるというのが目的です。
伊勢あたりをうろうろしていた時期があったみたいですね。

無料展示なだけあって、会場は小さかったですが、
奥にどーんと蕭白があって、
「おお、こんなに大きな立派な作品なのか」と圧倒されました。

さらさらっと筆で描き出したような軽いタッチのように見えて、
蕭白らしい独特の表情をもつ人物たちばかりで、
見とれてしまいました。

他にも、三十六歌仙扁額などは、
和歌好きの父親が見たら喜ぶだろうなぁ・・・・・なんて思ってみたり。

短い時間でサクッと見られる展示でした。


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「奇々怪々お化け浮世絵」展
- 2016/07/31(Sun) -
「奇々怪々お化け浮世絵」展

パラミタミュージアムで開催中の「奇々怪々お化け浮世絵」展。
本日、最終日ということで、滑り込みセーフ。

あまり調べもせずにお邪魔し、
「暁斎さん居るかな?」と覗いてみた気分だったのですが、
残念ながら暁斎作品はありませんでした。

有名な「百物語」などが置かれていましたが、
個人的に気になったのは、平清盛が怪現象を見たとする場面を現した3つの作品。
歌川国芳、月岡芳年、歌川広重が描いていますが、
それぞれの「怪異」の描き方が面白く、
現代のイラスト画に通じるポップさもあり、印象に残りました。

展示数は、予想していたよりも多くて良かったのですが、
絵描きさんに偏りがあったので、もう少しバラエティ豊かにして欲しかったなというところです。


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猫まみれ展
- 2016/06/14(Tue) -
だいぶ前に見に行ってたのですが、
アップが遅くなりました。

猫好きの母に誘われ、『猫まみれ展』へ。

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平日のランチの時間帯に行ったのですが、
結構、お客様がいました。
いずれも猫好きと思われるおばさま(時々おじさま)ばかり。

絵画だけでなく、彫刻などもあり、
点数も豊富だったので、楽しめました。

絵画の中における人間と猫の関係性が、
時代によって変化してきたという解説に、なるほどぉ~。
確かに、野良猫→飼い猫→同居人というように
その地位が上がってきています(笑)。

でも、やっぱり、猫の魅力は、その我が儘さというか、
孤高な姿勢なんでしょうね。

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川喜田半泥子の旅
- 2016/03/12(Sat) -
『川喜田半泥子の旅』

地元の石水博物館に初めてお邪魔しました。

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川喜田半泥子は陶芸家なので、陶芸にあまり興味がない私としては触手が動かなかったのですが、
今回の企画展は、半泥子がヨーロッパやジャワに旅行をした際に描き溜めたスケッチなどの
絵画作品が中心ということで、試しに見に行ってみました。

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ヨーロッパ旅行では、水彩画で街の様子をスケッチしています。
サラサラッと描いた感じですが、透明感のある素敵な絵だと感じました。

ジャワ旅行では、パステル画を多数描いていますが、
「パステル画って面白いな!」と思わせる情緒ある作品が多く、
お土産に絵葉書セットを買ってしまったほどです。
正直、自分でも描いてみたいなと感じて、パステル画の描き方を検索してみましたが、
なんだか初心者には複雑な解説だったので、色鉛筆のスケッチから始めるのが無難かな・・・・・
なーんて、考えてみたり。

その他、ホームムービーとして、ジャワ旅行に半泥子と息子2人の3人で行った際の様子が
動画で残っており、テレビを独占して全部見てしまいました(ま、他にお客様が居なかっただけですが・・・)。
昭和一桁代で、旅先にビデオカメラを持っていき、現地の目玉の観光地だけではく、
何気ない家族の様子を撮り収めようとする姿勢に、進んでいる人だったんだなという印象を持ちました。

年表も見ましたが、百五銀行の頭取だけでなく、三重県内の諸銀行の役員を務め、
政治家としても活躍し、芸術家としても後世名を残す、傑出した人物だったのだと再認識しました。
「津市の渋沢栄一」なのではないかと思ってしまうほど。
三重県民たるもの、きちんと伝記でその功績を勉強しなければと思いました。

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肉筆浮世絵 美の競艶
- 2015/12/27(Sun) -
『肉筆浮世絵 美の競艶』

展覧会の年内見納めは、お初となる上野の森美術館に行ってきました。

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肉筆浮世絵がテーマということで、メインは美人画の数々なのですが、
私は河鍋暁斎の『一休禅師地獄太夫図』がお目当てです。

一休和尚が踊り、骸骨が騒ぎまくるこの作品は、
今回の展示会の中では甚だ異色なのですが、
それでも、美人画だけを見比べると、その技法の高さは群を抜いていると思います。

今回、たくさんの美人画を見ることができましたが、
やはり技術の高い傑作は、今の時代に眺めても美人だと思えます。
反対に、拙い技術では、絵師の感動が上手く伝わってきません。

あと、市中の様子を細々と描写した作品では、
豆粒のような人々のサイズなのに、その表情の豊かさに引き込まれます。
江戸の市中の人々は、総じてにこやかで、怒っていてもひょうきんさがあり、
暗くジメジメしていないので、人々にとって概ね幸せな時代だったんだろうなと思います。

江戸の街の大きさや、建物の集中度合い、人々の活気など、
その当時の世界で見ても、随一の賑やかさだったのではないかと思います。
今の東京もあやかりたいものです。

他に印象に残ったのは、葛飾北斎の、早描きのようなササッとした筆捌きによる美人画2点でした。
肩の力は抜けているのに、その存在感が素晴らしかったです。
絵葉書で部屋に飾りたかったのですが、
残念ながら販売されていませんでした。

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隣の小部屋で関連展示も行われていたので見てきました。
川瀬 巴水も良いですねぇ。

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鈴木理策写真展『意識の流れ』
- 2015/09/06(Sun) -
鈴木理策写真展 『意識の流れ』

先日行った河鍋暁斎の美術展でもらったチラシ。
写真展はあまり馴染みがなかったのですが、
急に2時間ほど時間が空いたのでふらっと行ってみました。

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写真って、絵画と違って、作者の伝えたいことを形にすることよりも、
目の前に存在しているものをどう切り取るのかに関心が行ってしまうので、
「なぜ、この瞬間を、この角度で切り取ろうとしたのだろうか?」という思いが
どの写真にもついて回りました。

見た瞬間、「おっ、きれいな写真だな!」と感動する作品ももちろんあるのですが
それよりも、「なぜ、これなんだろうか?」という気持ちになるものが多く、
上手く鑑賞できないものが多かったです。
まだ、私が写真展に慣れていないからでしょうか。

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↑この作品とかは、まるで油絵のような不思議な印象を与えてくれて、面白いなと感じました。
雪の結晶とか、素直にきれいだと思います。

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本展示と同時に、水彩画の展示も別フロアで行われていました。
水彩画も、普段、私が見に行く日本画の世界とは異なるので、馴染みがありません。

『水につながる』というタイトルの美術展でしたが、
この展示を通して、私が水彩画に馴染めない理由がわかりました。
タイトルから連想できるように、「にじみ」を活かした作品が多かったのですが、
どうやら、私は、この「にじむ」という水彩画の特性が苦手なようです。

なんだか、非常に不安定な感じを受け、気持ちが不安になるというか、暗くなるというか。
日本画の、くっきり明瞭な色使いと対極にあるのが水彩画なのかも・・・・と思いました。
しかも、抽象画となると、なおさら解釈が難しく、心が落ち着きをなくしてしまいました。

作品としては、野坂徹夫氏の作品が、
暖かな色使いと柔らかい世界観で、ほっと一息つけました。

3つ目の美術展として、最後に『Project N』という
西村有さんの油絵の展示があったのですが、
こちらは、初っ端の「緑の中を行く車」という作品が面白かったです。

今日は、いつもと違う美術体験ができました。

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