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『スナーク狩り』
- 2020/09/09(Wed) -
宮部みゆき 『スナーク狩り』(光文社文庫)、読了。

実家で読むものがなくなり、うーん、ちょっとボリューム多いなぁ・・・・と思いながら手に取った本作。
競技用散弾銃をめぐり、「あいつを殺してやりたい!」という思いが錯綜する展開です。

裏切った恋人の結婚式で散弾銃をぶっ放そうとした女、
妻と娘を銃殺した犯人2人組の公判の場で散弾銃をぶっ放そうとした男、
そんな女と、そんな男の関係者が、それぞれの計画を察知して後を追いかける・・・・。

いやいや、要素を詰め込みすぎでしょ(爆)。
この結婚式の日と公判の日が前後で連続したということが読んでて分かった時点で
私は気持ちが作品から離れてしまいました。
そんな散弾銃の奪い合いみたいな設定、ありえないだろー!と。

そもそも、結婚式女の方は、元恋人に捨てられたうえ、
資産目当てで付き合っていたと言い放たれ、さらに元恋人を紹介してくれた親友にも
付き合い始めた当初からバカにされていたというアクドイ設定。

公判男も、妻と娘がシンナー中毒の男女に無残に殺される、
しかも、ただ殺人を楽しむためだけに殺されるという展開。

盛りすぎでしょ。

宮部作品で、こんなに強引な展開の作品あるんだぁ・・・・とある意味驚きでしたが、
作中で携帯電話が出てこないので、かなり古い時期の作品なのかな?ということで
まぁ、なんとか納得するようにしますわ。




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『チチンプイプイ』
- 2019/12/29(Sun) -
宮部みゆき、室井滋 『チチンプイプイ』(文春文庫)、読了。

宮部みゆきさんと室井滋さんの対談です。

初対面の状態から始まり、何度となく顔を合わせるうちに、
段々と距離が縮まっていく様子が、見ていて面白いです。
最初は敬語で話していたのに、次第にため口になり、でも急に敬語に戻ったり(笑)。

お二人とも、それぞれの分野で才能を発揮され、
自分のポジションというものを確固とされている方だと思うのですが、
その作品とは裏腹に、ご自身の私生活は、

良い表現なら自然体、口悪く言うなら自堕落な生活を送っているような気がします。

そのあたりの、自分の私生活も垣間見せながらの対談は、
気取らない大人の女性の余裕を見せてくれて、
お気楽独身生活をしている私にとっては、励みになりました(爆)。」

室井さんの実家・富山に行ったり、宮部さんの仕事場に行ったりして、
それぞれの人生観や個人の歴史も知ることができ、興味深かったですが、
でも、個人的には、乗り合わせたタクシー運転手がヤバかった!という
下世話な話が異常に面白かったです。
なんで、こんなに、ヤバい運転手に当たってしまうのかという(笑)。
まぁ、一般人とは、タクシーの利用頻度が違うでしょうから、

必然的に変な運転手に当たってしまうことが多くなるのだとは思いますが。

作中に、室井さんが習作として書いた短編が2作載っていますが、
本人が書き直したという渾身の一作の方よりも、
私は、最初の案の方が好みでした。
少なくとも、主人公の思考回路や言葉遣いに違和感を覚えず、すんなり読めました。
書き直した方は、男言葉を意識しすぎなのか、「こんな話し方する人いないよ」という感想で
一気に醒めちゃいました。
室井さんは、主人公を女性から男性に変えることで客観視できたような言いぶりでしたが、
私の感想としてあ、女性が主人公の作品の描写や物言いには共感できても、
男性が主人公の手直し版は会話文とか違和感の方が強かったです。
文学の世界では、室井さんは、小説家ではなくエッセイストなんだなぁということを
実感できる内容でした。

そして、対談からは、面白い人生を送っている人には、
面白い人生を送っている人が寄ってくるという、
そういうことを実感できた本です。

面白い人に、「こいつ面白いなぁ、また会いたいなぁ」と思わせるには、
自分自身が面白い日々を送っている必要があり、
つまりは、レベルの高い人にはレベルの高い人が興味を持つという
そういう公式を分かりやすく理解できる本でした。




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『チヨ子』
- 2019/03/17(Sun) -
宮部みゆき 『チヨ子』(光文社文庫)、読了。

久々の宮部作品。
ちょっとホラーな味付けの短編集です。
人間の嫌な部分やグロい部分を描いていて、濃厚な作品でした。

「雪娘」は、久々に集まった小学校の同級生のグループ。
5人が集まったが、本当は仲良し6人組。
1人欠けてしまったのは、小学校6年生の時に殺されてしまったから。
プチ同窓会の夜に、赤い長靴をはいた女の子を見かけて・・・・・。
殺人事件の真相そのものよりも、5人の同級生の間で過去を振り返る描写が
それぞれの人生も反映されて、なんとも濃い空気が流れて読みごたえがありました。

「オモチャ」は、たまたま引っ越した先に住んでいた親戚の叔父さんとの話ですが、
こちらは殺人事件の噂絡みの幽霊騒動。
幽霊騒動自体のインパクトが弱かったのと、
親戚付き合いがあまりに薄い設定だったので、田舎者の私としてはあまり共感できず。

表題作「チヨ子」は、その和風なタイトルに似合わず、スーパーでの着ぐるみバイトの話。
着ぐるみの中から外の世界を眺めると、それぞれの人の思いでのオモチャが見える・・・。
ひとつ前の「オモチャ」から何か繋がっているのかと思ってしまいましたが、
そうではなく、着ぐるみからの連想だったようです。
正直、表題作にするような話かな?という感想でした。

「いしまくら」は、一番面白く読みました。
近所で起こった女子高校生殺人事件の後、殺された女子高生を誹謗中傷する噂が広まり、
その不名誉を払拭しようと夏休みの自由研究として事件の真相を探し始める少女。
自由研究とか、彼氏に頼まれて真相究明しようと思ったとか
設定にはちょっと違和感を覚えましたが、
世の中の人が広める噂の性質についての分析が興味深かったです。

「聖痕」は、一番重たくて、タチの悪い話でした。
家庭内で母親とその内縁の夫からネグレクトを超える酷い扱いを受け、
積もり積もった恨みから、殺人を犯してしまいます。
服役後、実の父親に引き取られ社会復帰を目指しますが、
そこに現れたのは、彼を神格化するホームページに集まる人々・・・・・。
これは気持ち悪い話でした。
ネットで発言する者の無責任さや、統制の効かない流れができてしまってからの暴走ぶりは
興味深く読みましたが、しかし、怖さでいっぱいでした。
最も後味の悪い作品で、この短編集は閉じられました。




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『幻色江戸ごよみ』
- 2016/02/14(Sun) -
宮部みゆき 『幻色江戸ごよみ』(新潮文庫)、読了。

ちょっとホラー色のかかった時代モノです。

謎解きというよりは、人情話のような印象で、
手軽に読める時代モノというところでしょうか。

女中さんや職人さんなど
市井の人々の目線での話が多かったので
そういう生活臭のある世界観を覗けたのは面白かったです。

ただ、著者への期待からすると、ちょっと物足りない感じかな。


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『震える岩』
- 2012/08/19(Sun) -
宮部みゆき 『震える岩』(講談社文庫)、読了。

真夏のホラーシリーズ第4弾(笑)。
どんどんホラーの本質から外れていってますが、もう何でもあり。

江戸の時代を舞台に、死人憑きと幼子殺しの真相に迫ります。
意外と、死人憑きの描写が怖かったです。ホラーも堪能。

本題の謎解きのほうは、
前半、いくつかの事件がどんどん繋がっていくので、
「都合よすぎだろ!」と思ってしまったのですが、
後半の真相究明の段になって、納得のいく形でリンクが見えてきたので、
そこからは一気読みでした。
さすが、宮部みゆき作品。

短編から長編へと成長した本作ですが、
主人公や脇役のキャラクターだけでなく、
活力のある商いの町を舞台にしていることや、不思議な話を集めている御奉行様など
続編を作っていくための設定がしっかりしてますよね。
これも宮部作品の安心感。


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『誰か Somebody』
- 2011/08/22(Mon) -
宮部みゆき 『誰か Somebody』(文春文庫)、読了。

事故でなくなった会社関係者の娘さんから、故人の生涯を辿る本を出したいと相談された主人公。
半分仕事という位置づけで関わり始めたら、次第に過去の事件が見えてきて、
そして、現在の問題も見えてくる・・・・。

巨大グループ会社の会長の娘婿、しかもその娘は愛人の子という、
主人公の微妙な立場が、面白い味付けになっていたと思います。
仕事の実力重視というよりは、婚姻関係により担っている感のある社内報担当という役職。
その仕事の自由度と、立場的に使用できる力とが、
本作の主人公に必要な行動力を与えていて、納得感がありました。

また、彼を取り巻く、奥さん、義父である会長、毒舌の実母など、
サブキャラも光ってました。個人的には実母の毒をもっと読みたかったのですが・・・。

本題の探り当てた過去については、一般人の身に起きるにはちょっと大き過ぎる気もしましたが、
辿っていく過程を適度に楽しめました。

主人公は、探り当てた過去や、周りで起きた一つ一つの出来事を
自分なりに咀嚼して、また自分の身に置き換えて考えたりするので、
本題の過去を探るという行動以外の描写も多々出てきます。
普段は、その手の主人公を、それを饒舌過ぎて鬱陶しいと感じてしまうことが多いのですが、
本作では意外とすんなり受け入れられました。
これは、彼の奥さんや娘さんのキャラがあってのことかな。

最後は、ハッピーエンドというものではありませんでしたが、
現実とはこんなものなのかもしれませんね。


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宮部 みゆき

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『蒲生邸事件』
- 2011/03/01(Tue) -
宮部みゆき 『蒲生邸事件』(文春文庫)、読了。

何も考えずに読み始めたのは、なんと2月26日。
まさに二・二六事件の日です。ちょっと不思議な縁。

さて、本作は、本読みさんたちのBlogで絶賛されていることが多いので、気になってました。

というわけで期待値は大きかったのですが、前半がちょっと退屈でした。
主人公が、あまり知識・教養のない設定なので、二・二六事件の説明が
ところどころに入ってきて、すこし冗長な印象です。物語の進みも遅いし。

また、どうにも、主人公のキャラクター設定に満足できず。
本作に限らず、「勉強の出来が悪く、世間にも疎い、何も考えずに生きてる男子」という
主人公が、どうも私は苦手のようです。

何か一つ、他人よりも秀でた特徴や、個人的な興味関心があるのなら、
それをキーにして巻き込まれた事件に対処していく・・・というのは納得感が高いのですが、
「この男子がこの場面でこんなに柔軟に対応できるか?」という疑問を持ってしまうと、
なかなか感情移入がしにくいんです。

本作でも、二・二六事件どころか、日本の近現代史が全く分かっていない主人公が、
いくらタイムトリップしたからといって、こんなに状況を即座に把握して
上手く立ち回れるのかいな?と疑問に思ってしまいました。

あ、あと、タイムトリップものも、あまり私は得意じゃないかもしれません。
タイムパラドックスの方に意識が行ってしまうのと、
どうしてもご都合主義な展開に思えてしまうところがあるので。

ただ、本作は、2人目の時間旅行者が登場して、
その2人の時間旅行観の違いが顕わになってきてからが面白かったです。
ま、かなり後半ですけれど。


蒲生邸事件 (文春文庫)蒲生邸事件 (文春文庫)
宮部 みゆき

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『今夜は眠れない』
- 2010/05/13(Thu) -
宮部みゆき 『今夜は眠れない』(中公文庫)、読了。

以前、軽いタッチの宮部作品が苦手と書いたことがあるのですが、
本作を読んで、認識を改めました。
「狙った感じがアリアリと見える作品が苦手」と言った方が、正確だと思います。

本作の主人公は、中学生の男の子ですが、それにしては、ちょっと幼い感じ。
二十歳前の初対面の女の子から「坊や」呼ばわりされてます。

一方、その相棒ともいうべき親友は、偏屈系の含蓄野郎。
「こんな凸凹2人組を作ってみました。どうでしょう!」と
無暗にプッシュされているような印象で、この2人の座りが、どうにも悪いです。

トリックが、夢物語のような話なので、
軽~い感じの構成にしておかないと全体のバランスが取れなくなるというのは
よくわかるのですが、何とも作り物めいた感じが拭えませんでした。

この作家さんの作品では、
奇をてらわない王道モノを、自分は読むべきだと再確認しました。


今夜は眠れない (中公文庫)
今夜は眠れない (中公文庫)
おすすめ平均
stars宮部みゆきっておもしろいんだ!
starsやはり宮部作品。単純には進まないな
stars人が殺されないミステリー。
stars五億円の遺産と家族の危機
stars「ミステリーランド」のシリーズで配本されるような作品

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長い長い殺人 (光文社文庫)
長い長い殺人 (光文社文庫)
おすすめ平均
stars財布にも心がある
starsがっかり
starsおもしろかった
stars財布の視点!
starsキャラが出過ぎ

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パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)
パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)
おすすめ平均
stars登場人物の役割設定の巧みさ
stars爽やかで軽やかなミステリ。
starsさわやかさを失わない青春小説
stars人を思う気持ち・・・
starsスポーツ選手とミステリー

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『あやし』
- 2009/04/07(Tue) -
宮部みゆき 『あやし』(角川文庫)、読了。

宮部ホラー時代小説。
どれもコンパクトにまとまっていて面白かったです。

やっぱり和のホラーは怖いですね。
「恨みの蓄積」みたいなものが見えてくるので。

でも、一番怖かったのは
人間が正気から狂気へと移っていく過程でした。
「あぁ、今、何かが外れた」と思われる瞬間の描写が怖いです。
こんな瞬間が自分に訪れることがあったらどうしようかと。

そんな狂気の世界に足を踏み入れてしまった人たちを
守ってくれる人たちが居てくれるので
この作品では救いがあるように思いました。


あやし (角川文庫)
あやし (角川文庫)宮部 みゆき

おすすめ平均
stars鬼さんこちら、手の鳴るほうへ・・・・
stars怖いというより、哀しい
starsこの手のものを書けば
stars恐ろしや、人の情念
stars怪談・奇談ながらほんわかあったか・・・

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『初ものがたり』
- 2009/03/06(Fri) -
宮部みゆき 『初ものがたり』(新潮文庫)、読了。

頭がつかれてきたので、お手頃な短編集をば。

岡っ引きの茂七親分による謎解きの数々。
下っ引きの糸吉&権三もなかなか使える手下たちで、
一方、侍上がりの稲荷寿司屋や拝み屋の日道坊主など
話のワンポイントに現われる脇役たちも魅力的です。

謎解きよりも、これら登場人物たちの日常生活の様が面白かったです。

そして、タイトルの「初ものがたり」は、
季節の「初もの」と絡めてあったのですね~。
読み終わってから気づきました(爆)。


初ものがたり (新潮文庫)
初ものがたり (新潮文庫)宮部 みゆき

おすすめ平均
starsやっぱり茂七親分が一番!
starsうまそうな捕物帖
stars満足点の江戸情緒
starsぜひとも続きが読みたくなる一冊
stars軽く読める捕物帳

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