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『つきのふね』
- 2019/12/08(Sun) -
森絵都 『つきのふね』(角川文庫)、読了。

大親友だった同級生と口を利かなくなって数十日経つ中学生のさくら。
クラスの女子たちの輪の中にも入れなくなり、
通うようになったのは20代の男性のアパート。
彼は、宇宙船を作って人類を救出するという使命のもとで毎日宇宙船の設計図を描き続ける・・・・。

中学校の女の子たちの人間関係は、一度バランスが崩れると大変ですよね。
特に、仲が良かった子たちの間が崩れると、反対に振り切ってしまいますよね。

しがないスーパーでの万引き事件を起こした彼女たちは、
1人が捕まり、1人が逃げたことで、その信頼関係が崩れます。
こんな極限状態での判断って、冷静にできない分、本心がそのまま出ちゃいますよね。
裏切りの内容は、決して悪意からのものではなく、むしろ信頼(依存かな?)から出てきたものなので
読んでいて嫌な気持ちになりませんでした。
逆に、もっと素直になって謝ればいいのに・・・・と思ってしまいます。
そこが難しいのが青春ですね。
仕事の人間関係なら、ビジネスライクに謝ることって結構できちゃいますからね。

で、行き詰ったさくらが逃げ込んだ先の部屋は、
24歳のいい年の男が引き籠って宇宙船の設計図(自称)を描いているだけの空間で、
たまに美味しいミルクコーヒーを淹れてくれるにしても、基本的に時間が止まったような場です。
そんなところに逃げ込んでホッととしてしまっているさくらの心情を思うと居たたまれなくなります。

一方で、この宇宙船男は、もちろん精神的にアンバランスな状態にあるわけで、
当初、熱心に絵を描いていただけだったのに、さくらの同級生の男の子まで出入りするようになると
彼が熱心に宇宙船の話を聞き出すものだから、絵の中での妄想で収まることができず
次第に自分を傷つけるような心の不安定さをみせることになります。

不安定な人との会話って、小説世界には良く出てきますが、
基本的に私は苦手です。生理的に恐怖を感じてしまうので。
どういう思考回路で次の行動に移るか予測できないという恐怖です。
もし、本作が、男とさくらの2人だけの会話で進んでいったら、私も参ってしまってたでしょうが、
本作は、勝田君という男子が介在することで、私も受け入れることができました。

この勝田君という男子が、根は優しい男の子なのですが、
思考が小学生レベルで、しかも天然くんなので、アンバランスな2人の間で
思わぬ反応の仕方をしたり、変な解決策を思いついたりと、とにかくズレてます。
そのズレっぷりが、却って、中和剤になってよかったのかなと思います。

中学生の少女たちが万引きをしてしまうというのは
この年代の女の子には起こりうることなのかな?(よくわからんけど)と思えましたが、
その万引きにヤクザ者が絡んできて組織的に盗品換金を行ったり、
薬物に手を出したりって、そうそうあることなのでしょうか?
東京って、そんな場所?
ちょっと中学生の社会を極端に描き過ぎてるんじゃないかなと思ってしまいました。
そこまで劇的な設定にしなくても、十分にさくらの苦悩は伝わってきます。
それとも、田舎のおばちゃんの中学生時代と、今の東京の中学生は
全く環境が違っているのかな。

だったら悲しいな。




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『談志が死んだ』
- 2019/12/07(Sat) -
立川談四楼 『談志が死んだ』(新潮文庫)、読了。

落語家の本は、起承転結の構成や文章リズムの心地よさで好きなのですが、
やっぱり名前を知っている人の本でないと手が伸びにくいです。
本作の著者は失礼ながら存じ上げなかったのですが、
「談志の本」ということで手に取ってみました。
ただ、談志師匠自体、私は噺を聞いたことがなく、テレビで流される破天荒なイメージと
前に読んだ談春師匠の本のイメージとしか持ち合わせておりません。

本作では、談志師匠の死を知らされた日の話から始まりますが、
やっぱり噺家さんは語り口がお見事ですね。
著者のことを全く存じ上げなかったのですが、その日の流れを追いながら
談志師匠との関係をきちんと説明していき、談志師匠の人物像も端的に描いていきます。
最初の展開で、ぐいっと掴まれた感じです。

そして、談志師匠の死を知った日の話から、その後の談志フィーバーに駆り出される自分を書き、
そこから話は談志師匠が参議院議員選挙に出馬した時の話に飛びます。
落語の話じゃないんです。選挙の話です。
ここの期待感のずらし方が上手いです。

落語家としての談志師匠のイメージは、たぶん、私より上の世代の方たちなら
皆それぞれに何かしら持っているのではないでしょうか。
私が初めて落語を生で聞いたのは2009年だったので、すでに談志師匠は闘病生活に入っており
失礼な言い方ですが、私にとっては「過去の偉大な落語家」という位置づけでした。
メディアが植え付けた破天荒なイメージが先行したものです。

本作で描かれる談志師匠は、私の持つ破天荒さのイメージのさらに上を行く破天荒さで、
よく弟子の皆さんついていけるなぁ・・・と思ってしまいますが(苦笑)、
無茶苦茶言っている日々の中でふと口にする弟子への評価の言葉とかを読むと、
この一言でお弟子さんは救われるんだろうなぁと思ってしまいます。
そして何より、落語が上手い人だったからこそ、弟子の人たちがここまで付いてきたんだろうなと。
生で高座を見られなかったのは何とも残念です。

談春師匠の『赤めだか』のエピソードも出てきますが、
『赤めだか』とは、また違った立場の弟子よる談志像で、とても面白かったです。

ただ、本作を読み終わった後、たまたま見たネットニュース番組で談四楼師匠の名前が出てきて
タイミングの良さにビックリしました。
師匠のツイッターの内容を紹介したものでしたが、その内容に2度ビックリ。
かなり左翼系の発言をする方なのですね。師匠は自民党の代議士だったのにね(爆)。
ちょっと印象が変わってしまいました。




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『一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト』
- 2019/12/06(Fri) -
神田昌典、主藤孝司 『一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト』(ダイヤモンド社)、読了。

先輩経営者さんに勧められた本。
「どうやったら適正価格が決められるか全部書いてあるから!」と教えてもらったのですが、
確かに、おっしゃる通り、価格決定の具体的な方法が全部書いてありました。

とにかく、安さを押し出した価格競争に陥ることなく、
適正価格でしっかりと利益を確保しなさい!という教えは、
誠にその通りです。

自分もそこを目指したく、値上げする理由とタイミングをいつも窺っているのですが、
理由やタイミングは合理的な説明ができても、
値上げ幅って、設定するのが難しいんですよね。

既存顧客から突っ込まれたとき用に、一応、こじつけで値上げ幅の説明をできるようにしてるのですが、
それが後から首を絞めることにもなりかねず・・・・・。

本作では、40人の顧客ネットワークを使って、適正価格を算出する方法を説明しており、
「えい、やー!」で付けた価格よりは、経営者自身が安心できる方法かもしれませんね。
ただ、対外的に説明材料に使える内容ではないので、
値上げ幅の説明には向いてないです。

あくまで新商品や新サービスの値付け、
もしくは、価格体系をガラッと変えるときの値付け方法ですね。

あとは、この40人を使って調査するという方法を、
実際に実行できる行動力と胆力があるかというところが問題ですね。
頭では理屈がわかっていても、実行が難しそうです。

私の感想としては、値付けそのものの方法論よりも、
いかにして付加価値を付けたサービスを、お客様に受け入れてもらえる方法で作り上げるかという
事業構造の考え方のところが、具体的な事例もあって、勉強になりました。




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『武者小路実篤詩集』
- 2019/12/05(Thu) -
亀井勝一郎編 『武者小路実篤詩集』(新潮文庫)、読了。

父の本棚にずらっと並んだ武者小路実篤の作品。
「父はこの人の作品が好きなんだな」と子供心に感じていましたが、
中学生の時に手に取って、数行で挫折。
高校の時にも挫折。大学の時にも挫折。
結果、かなり苦手意識が植えついてしまいました。

今回、たまたまブックオフの50円ワゴンに詩集が入っており、
物は試しと買ってみたのですが、ビンゴ!

小説よりも、詩の方がずっと読みやすいです。
詩というよりも、私には、実篤の心の声が書かれた日記を読んでいるような感覚でした。
自分の不器用さを嘆いたり、上手くいかない焦りを愚痴ったり
そんな心の苦しさを短い詩の中にぶち込んでいるかと思いきや、
自分をブッタと比較してみたり、なかなか不遜な((笑)ところもあったりして。

ものすごく共感できる言葉や感情が並んでいて、
武者小路実篤って凄いわ、とやっと実感できる作品に出合えました。




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『深海のYrr』
- 2019/12/03(Tue) -
フランク・シェッツィング 『深海のYrr』(ハヤカワ文庫)、読了。

近所の(ブックオフじゃない)古本屋で3冊まとめて見つけて、
お安くないのに買ってしまった本。
結局、あまりのボリューム感に積読状態でしたが、東京出張で一気読みだ!と挑戦。

行き帰りの新幹線とホテルで読み終えられる予定が、
なんとも読みにくい本で予定の半分も消化できず。
結局、読み終わるのに1週間以上かかってしまいました。

ある日、ノルウェー沖の深海のメタンハイドレード掘削予定地で新種のゴカイが発見され、
一方で、カナダ沿岸ではクジラの異常行動が観測されることに。
それぞれの事象とみなされていた海の異変が次第に繋がりを帯びていき・・・・・ということですが
特に上巻は話が冗長で読みづらかったです。

ノルウェーとカナダの2つの主要場面以外にも、様々な研究機関が登場し、出てくる専門家もわんさか。
しかも専門家たちの仕事ぶりだけでなくプライベートまで描こうとするから、
全然話が展開していきません。
伏線なのかな?と丁寧に読んでいましたが、途中であきらめました。
最後まで読んだ結果、要らないシーンが多すぎと判明(爆)。

シーシェパード的な人が現れたり、反逆国家による細菌テロだと考える人が出てきたり、
大統領にすりすりなアメリカファーストな軍人官僚が出てきたり、
国境を越えた海洋での異常事態という舞台設定において、
関係を持ちたがりそうな人たちは一通り出てきたので、
その視野の広さは、現実に起こり得そうな混乱を見据えているなと最初に期待したのですが、
話を広げすぎて回収できるだけの能力が著者になかったという感じでしょうか。
取材力はあったけど、小説家としての力量が不足してた気がします。

中盤に、海洋異常の原因が見えてきたあたりから、世間一般の混乱の様子はほとんど触れられなくなり
一か所に集められた世界の一流専門家たちによる対Yrr戦となっていき、
社会派サスペンスから、エイリアンパニックものへと軸が変わってしまい、残念。

あと、登場してくる専門家たちが、みんな日常的に怒ってたり不満を愚痴ってたりするので
人間的に共感できず。
欧米人って、一流とされる学者でも、こんなに気性が荒いのかしら?と思ってしまいました。

たとえば、貴志祐介さんみたいな力量のある作家が書いたら、
分厚い文庫1冊に納まったんじゃないかと疑念の目。






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『爆笑!エリート中国人』
- 2019/12/02(Mon) -
小澤裕美 『爆笑!エリート中国人』(幻冬舎新書)、読了。

ブックオフで50円だったので時間つぶしに・・・・と思って買ってきたのですが、
思いのほか興味深い内容で、一気読みでした。

著者は、新華ファイナンスジャパンという、中国の金融情報を扱う会社の
日本法人の代表を務めているようで、職業柄、中国人のエリートビジネスマンと接する機会が
おおいことから、そこで体験したことを本作にまとめたものです。

あくまでエピソード集なので、中国人論とか中国文化論とかいうような
体系だった考察はないのですが、生身の中国人の姿が描かれており、
想像通りのところもあれば、意外な一面もあったりして、面白かったです。

この手の、外国人の民族性や生態を紹介する本は
相手を見下してバカにしているような雰囲気が陰に陽に出てしまうきらいがありますが、
本作ではそういうところがなく、「爆笑」も、「嗤う」のではなく「(笑)」という感じです。
著者が中国人をビジネスの相手として冷静に割り切ってみているところ(=変な期待をしない)と、
ビジネスが失敗するより成功に越したことはないんだから相手にとことん合わせなさいという覚悟と
自身の夫が中国人であるという親しみとが複合しての、中国人や中国文化への共感意識なのかなと。
その点が、本作をからっとした爽やかなものに仕上げていて後味が良いです。

具体的なエピソード、それも自身で経験されたことばかりなので、
抽象的な中国人論を読むよりも、中国人と向き合っているビジネスマンにとっては
有益な情報がたくさん得られるのではないでしょうか。

私自身は、仕事の面ではほとんど中国人との接点はなかったのですが、
(香港の人とは仕事をしましたが、あそこは中国本土とは違う文化でしょうから)
中学校のときに、クラスメイトとして中国人の男の子が編入してきた経験がありました。
彼の両親は大学教授という、超インテリ家庭の一人息子で、
最初は、言葉が通じない上に、振る舞いがちょっと粗暴なところがあり、
クラスメイトの輪の中に入ってくるまでに時間がかかりました。
でも、彼の努力で会話が成立するようになってくると、人懐っこいキャラクターで話してて楽しい友人でした。
必死になって日本語を勉強したんだろうなという彼の努力に、当時から尊敬してましたが、
友達とワイワイやってるときに、ふと手が出てしまったりと、日本人とは異なる振る舞いや距離感に
ちょっと怖いと感じることもありました。
もし中学生のときに、本作を読んでいたら、ちょっと粗暴な一面は
彼個人の特性というよりも、中国人の気性から来るところが大きかったのかなと違った受け止め方が
できていたような気がします。

あと、中国人の気質の面で最近思うのは、
例えば日高屋のようなチェーン店に中国人らしきスタッフさんがたくさんいますが、
彼らは皆きびきびと働き、接客も笑顔でしてくれる人が多く、中国の中国人のイメージとは違います。
本作で紹介されている中国の店員の労働意欲もなく接客意欲もない人々の姿とは違います。
わざわざ日本に来て働こうとする中国人だから意識が高いという面はあるかもしれませんが、
それ以上に、郷に入りては郷に従え、いや、郷に入ったら郷に従わざるをえないという
その土地の文化や慣習の強制力や同調性がいかに強いかという表れかなと思います。
この視点は、最近、個人的に興味を持っているところなので、
そういう文化論を考察した本があれば読んでみたいなと思ってます。

ちなみに、著者が代表を務める会社の親会社は、
東証に上場したものの、なんだかいろいろ問題を起こしたようですね。
読み終わってから著者プロフィールをk検索している過程で知り、
またちょっと読後感が変わってしまいました(苦笑)。




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『未来の働き方を考えよう』
- 2019/12/01(Sun) -
ちきりん 『未来の働き方を考えよう』(文春文庫)、読了。

久々のちきりんさん。
初めて読んだ時は共感できるところも多く、一気読みして「面白かった!」と思えたのですが、
2冊目、3冊目となってきて、段々と軽さ薄さが気になってます。

本作では、そもそも読者層にどういう人たちを設定しているのかわかりませんでした。
「定年と年金受給開始との間に空白ができたら生活していけない」と不安を抱えている人たちなのか
「夫と妻がそれぞれ海外赴任を打診されたらどうするか心配」というキャリア夫婦なのか
「カスタマーサポートの仕事が海外に取られてしまうかも」と不安なコールセンターの派遣社員なのか
各章ごとに、取り上げている議論の対象者の仕事の質やレベルが違い過ぎて
誰に向かって話をしているのか見えてきませんでした。

そんな状態で、「働き方を変えよう!二度目の人生はやりたい仕事をやろう!」と言われても、
ピンとこない気がします。

新卒から定年まで、一つの会社で手厚く面倒を見てもらえたのは団塊世代だけだと思っているので、
今、世の中に出ている多くの人は、転職なり独立なり何らかの形で
仕事を変える経験をしているのではないでしょうか。

会社の中には、社員だけでなく、定年再雇用の嘱託社員や
パート社員、アルバイト、派遣社員、インターンシップなど、様々な立場の人がいて、
さらには、協力会社や下請けと呼ばれる会社との取引や、外注先もあります。
社員の中には、経営者への出世街道を進むエリートも居れば、
リストラの心配をしている社員も居て、みな一様ではありません。

それぞれの立場で、「第二の人生を迎える」フェーズがあるわけで、
それは、エリート社員と派遣社員では全く異なると思います。
なのに同じフレーズで鼓舞するのは、無理じゃないかな?と。

あと、ちきりんさんが、自由な第二の人生を歩めているのは、
第二の人生を前向きに招き入れただけではなく、
それよりも、第一の人生でがむしゃらに働いた経験の蓄積があったからだと思います。
雇われ人の組織人という窮屈な存在の中で、
自分の能力を最大限に発揮して、組織のために実績を上げてきた経験があるからこそ、
自由な第二の人生を迎えたときに、自立していけるだけの力が身に付いたのだと思います。

この第一の人生における頑張りがない人が
自由だけを求めて第二の人生に突入すると、
本人がつらい思いをするだけでなく、社会が弱体化してしまいそうで不安です。




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『カーニヴァル化する社会』
- 2019/11/30(Sat) -
鈴木謙介 『カーニヴァル化する社会』(講談社現代新書)、通読。

なんとなくタイトルに惹かれて買ってきました。

で、「はじめに」で、ネット上での「祭り」「炎上」について触れていたので
「タイトルの『カーニヴァル』とは、仮想世界で異常な盛り上がりをみせる状態か!」と解釈したのですが
早とちりでした(苦笑)。

本文では、少子高齢化における労働の構造、監視社会化、携帯電話社会という
3つの章で成立していますが、3つが一つに繋がっていくのかというとそうでもなく
3つの独立した文章を読んだ感じでした。

「はじめに」で、ネット上の「祭り」の考察だと思い込んでいたので
第1章で若者と労働についての話が始まって、盛り上がってた気持ちが一気に醒めてしまいました。

この視点での社会問題の考察も大事なことだとはわかっていますが、
そういう読書の気分じゃなかった・・・・・ということです。

第2章の監視化社会は、当然、フーコーが登場し、
フーコー好きの私としては興味をもって読みましたが、
しかし、本作で特別な情報や視点を得られたかというとそうでもなく、
一般的な話で終わっていった印象です。

最初に期待値が上がってしまっただけに、残念でした。




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『先見後顧』
- 2019/11/29(Fri) -
堺屋太一 『先見後顧』(毎日新聞社)、読了。

近所のおっちゃんがくれた本。
30年も前の本なのに、内容に古さを感じません。

もちろん、時事的な内容は時代を感じますが、
そこから導き出される社会の眺め方は、今の時代にも十分に通用します。

吉田茂も、池田勇人も、佐藤栄作も、在任期間中は不人気だったけど
辞めた後に評価が高くなったという指摘は、
安倍さんもそうなるのかな?と思えてしまうほど。

不人気の内容が、政策そのものへの不満ではなく
「桜を見る会」の運営とかのクレームですからねぇ・・・・。
こういうクダラナイ議論は数か月もすれば忘れられていき、
アベノミクスの実績とかだけが残っていくのでしょうね。
野党も、久兵衛とかどうでもいいこと言ってないで、
公職選挙法とか政治資金規正法とかの観点で本質的な部分を詰めたらいいのに、
ブーメランを懸念してるのでしょうかね。

そんなことはどうでもよくて。

時代を感じずに読めるというのは、普遍的な本質を書いているからでしょうね。
日本式の教育の仕組みについても、戦後の教育についてだけでなく、
江戸時代からの日本の教育の在り方を、「型にはめる」方法だとし、
型を作ることで誰もが教師になれるマニュアル化なのだと見抜いたことで
あぁ、だから江戸時代の教育水準が世界的にトップレベルだったのかとも納得でき、
先進国になった今は、逆に応用力の欠如が足かせになってるのかと分かりました。

一度、著者の手による日本の歴史の解説書を読んでみたいなと思いました。




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『日と米』
- 2019/11/28(Thu) -
爆笑問題 『日と米』(幻冬舎文庫)、読了。

爆笑問題の本って初めて読んだのですが、
これはシリーズ物のようですね。

2人の掛け合いのような形で、主に田中サンが解説をし、太田サンが混ぜっ返すという
まぁ、TVのイメージ通りの構成で、漫才師の本としては真っ当な作りなのかもしれませんが、
全編通して瞬間的なボケの連続だと飽きてしまいます。
もっと物語性のある笑いを作ってほしいと思ってしまうのですが、
それはウンナン派の欲目かな。

で、肝心の日米関係についての解説ですが、咸臨丸からいきなり日米野球に飛んでしまい、
おいおい、幕末から一気に昭和に行っちゃうのか!と、
その思い切った展開にびっくり。
まあ、確かに、明治~大正にかけては、対ヨーロッパの外交がメインだったのかもしれませんが。
爆笑問題的に語りたいことがなかったのかな?

というか、この手の作品って、どうやって文章を作ってるのでしょうか?
2人の語りの文字おこしなのでしょうか?
それとも太田サンが漫才ネタを書くみたいに書いてるのでしょうか?
謎。




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