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『透明人間の買いもの』
- 2019/02/17(Sun) -
指南役 『透明人間の買いもの』(扶桑社)、読了、。

なんとなくタイトル買いしてきた本でしたが、面白かったです。

「透明人間」というのは、自分の意見を主張しない多数の人々、
つまりは、サイレントマジョリティのことであり、
利益を得るには、マジョリティを狙え!ということで、この無個性の人々について
どういう生態なのかを解説した本です。

そもそも、著者の指南役さんは、ホイチョイプロダクションズのメンバーということで、
面白く伝える技術とか、小さなことに意味を見出す技術とか
そのあたりの能力があるので、こういうプレゼンをされているかのような流れの本は
面白いですよね。一気に読めました。

「最近の宮崎駿は、正直微妙だと思っている」

これなんて、本音ぶちまけすぎでしょ(笑)。
表面しか見ていない人とか、マスコミに踊らされている人とかは「宮崎アニメすごい!」って
なってるんでしょうけれど、そんなに思い入れがない人が素直な気持ちで見ると
「ビミョー」という感想になっちゃうんでしょうね。
実際、私も、ハウル以降見てないですし(苦笑)。

サイレントマジョリティの意見って、表に出てこない分、辛辣で本音というか、
本質をズバッと付いているようなところがあるんだろうなと、本作を読んでいて思いました。
マーケッターとしては、その隠れた本音をいかに拾い上げるかというところが
腕の見せ所というか。

本作では、拾い上げて可視化する(言論化する)というマーケッターの能力を見られましたし、
その結果、現在のマジョリティの考え方というのも知れて、勉強になりました。

こういう、本音を拾い上げる能力というのは
自分も身に付けていきたいものです。




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『診療室にきた赤ずきん』
- 2019/02/16(Sat) -
大平健 『診療室にきた赤ずきん』(新潮文庫)、読了。

ブックオフの50円ワゴンに入っていた本。
表紙絵がキョーレツだったので、なんとなく買ってきました。

精神科医が、自分が診た患者のケースを
昔話や童話の世界と絡めて解説したもの。

「こんなに上手く精神的な悩みが解決するわけないじゃない」という声も聞こえてきそうですが、
著者が何百人、何千人も診察してきた中で、うまく解決できたケースを取り上げて
分かりやすくなるように、日本人になじみのある昔話などと絡めて解説しているんだと思えば
それほど気にはなりませんでした。

むしろ、個々のケースを具体的に読めた中で、
特に、心の病に罹ってしまったきっかけの部分に興味を持ちました。
心の病って、体の病以上に、他人事じゃないと思うんですよね。
体の病よりも、心の病ってオープンに語られることが少ないので、
どうして罹ってしまったのかという経緯のところへの理解が少ないというか。

自分も心の病に罹ってしまうかもしれないという漠然とした不安の中で、
実際に、どういうケースがあったのかを知ることができたのは勉強になりました。

それを「自分には関係ないな」と切り捨てるのではなく、
こういう小さなことから、心が負担を感じていくことがあるんだなという実態が分かり
小さな負担を積み重ねないように、リセットしていくことが大事なんだなと自分なりに理解しました。

そのうえでの、昔話との関連性の話ですが、
前から疑問だったのは、昔話って、唐突な話の飛躍があったり、突然話が終わったり、
不自然なものが多いなと思ってました。
最近は、そういう昔話の裏側というか真相を追求する本や、
教育者による改変(改悪?)の実態を暴露した本とか、いろいろ出てますよね。
本作においては、心の病の解説を通して、昔話の不自然さが
人間の精神構造の複雑さみたいなところにリンクされていたので興味深く読みました。

著者の文章は読みやすかったので
他の著作も読んでみたいなと思いました。




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『シナリオ蒲田行進曲』
- 2019/02/15(Fri) -
つかこうへい 『シナリオ蒲田行進曲』(角川文庫)、読了。

映画『蒲田行進曲』の台本を本にしたもの。

映画は私も観ましたが、なかなかに時代がかった演出で
ウンナンさんのパロディで免疫が付いていたから見られましたが、
何も知らずに見たら、途中でリタイアしてたかも(苦笑)。

そんな作品の台本ですが、
映像の無いシンプルな世界を読んでみると、
やっぱり銀ちゃん、ハチャメチャだし、それに付いていくヤスもめちゃくちゃ。
小夏の立場って、一体何なのよ!?てな感じです。

銀四郎はスターの孤独を表し、
小夏とヤスは捻じれた純情の表現なのかもしれませんが、
それでもやっぱり、よく分からない世界観でした。
昭和の方々は、「これが芸能界だ!銀幕の世界だ!」と受け入れてたのでしょうか。
それとも、当時もやっぱり、歪なスターの話として見ていたのでしょうか。

ま、でも、これだけ各々のキャラクターが立ってると、
ウンナンさんが愛した理由もわかります。
だって、パロディしやすいですもの。
キャラも場面も。

最後に、この台本の初校が収録されていて、
最終稿と比べてどこがどう変わったのかが比べられるようになっています。
内村さんレベルのファンの人には面白い企画なのだろうと思いますが、
私は華麗にスルー(笑)。




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『世界経済の大潮流』
- 2019/02/14(Thu) -
水野和夫 『世界経済の大潮流』(太田出版)、通読。

読みたい本リストの中にあったので、ブックオフで見つけて買ってきましたが、
結構、経済学ど真ん中の内容で、難しかったです。

最初、移動中の電車の中で読み始めたら、
全然頭の中に入ってこなくて、目が滑るだけ。
電車を降りて、お昼を食べながら、もう一度頭から読みなおす始末。
それでも、やっぱり難しかったです。

「利子率革命」というフレーズについて、
歴史の中で3度しか起こっておらず、その3度目で最も酷い状況が今であるという説明ですが、
「え、3度目?一番ひどいの?」と、その指摘がピンと来ていない時点で、
私の経済オンチぶりが分かるというもので・・・・(苦笑)。

で、途中までは何とか読んでいったものの、
デフレ脱却のためにインフレ政策を取るのは間違いだ的な指摘に至り、
この本が書かれたのは2012年ですが、今の時代から見ると、
アベノミクス反対派なのか・・・・という思いがあり、
少なくとも2012年当時の政権の経済政策よりは、アベノミクスの方が効果あったよなぁ
なんて思ってしまうと、本作への興味が薄れてしまい、
一気に内容が頭に入って来なくなりました。

経済政策に関する本は、タイムリーなものを読まないと
どうしても正誤確認しちゃうので、素人には読みにくいですね。




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『えっ、あの人が殺人者』
- 2019/02/13(Wed) -
中島河太郎、権田萬治 編 『えっ、あの人が殺人者』(角川文庫)、読了。

父の本棚にあった本。
ミステリのアンソロジーのようだったので、息抜きに。

どれも、昭和な雰囲気が色濃く出ている作品ばかり。
舞台設定とか、社会背景とかいう要素だけでなく、
ミステリとしてのジャンルの在り方というか、テーマの立て方というか、
それが、今ではあまり読めない雰囲気の作品ばかりだなと。
(専門用語が分からないので、曖昧な説明しかできずお恥ずかしい・・・・)

今のミステリとは、作品の質が違うなという感じです。
これはこれで、古き良きミステリのように思え、私は好きですが、
今風のどんでん返しとか、重たい社会性とか、軽妙な会話の味付けとか、
キャラクターものとか、シリーズものとか、そういう演出の要素は薄いので
ちょっと物足りなく感じてしまうのは確かです。
私の読書舌が、濃い味に慣れてしまったということでしょうか。

個々の作品では、やっぱり読んだことのある作家さんのものが読みやすいというか
私の性に合うようで、森村誠一さん、渡部淳一さん、清水一行さん、高木彬光さん等の
作品が面白かったです。

あとは、地方新聞の科学欄担当者が、絶滅したと思われるキタタキの調査に同行するという
石沢英太郎さんの「キタタキ絶滅」が、毛色が違ってて興味深かったです。

読んだことのない作家さんに出会えるのも、アンソロジーの良さですね。




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この記事のURL |  高木彬光 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
『幻想郵便局』
- 2019/02/11(Mon) -
堀川アサコ 『幻想郵便局』(講談社文庫)、読了。

全く知らない著者名&作品名だったのですが、
郵便局のお仕事小説っぽいぞと思い、買ってきました。

が、大ハズレ。
まず、郵便局のお仕事小説というのが間違いで、
現世と冥界の間の通信を承る幽霊のための郵便局というSFファンタジー設定です。
そして、裏表紙で「ユーモラス」と書かれている世界観は、
私にはオドロオドロシク感じました。
幽霊や神様の登場の仕方が不気味で怖いんです。

その割には主人公はあっけらかんとしていたり、思考が浅かったりで
なんとも頼りない感じ。

そして、肝心の主人公が幻想郵便局に雇われた「探し物が得意」という理由が
あんまり物語の中できちんと描写されていないように思え、
ものすごくゾンザイな扱いのように思えました。

そして、舞台となっている幻想郵便局のそもそもの機能についても
通り一遍の説明しかされていないような感じで、
物語の軸になっていないので、何を基準にして読んでいけばよいのかつかめず、
読みにくかったです。

まだまだ若手の作家さんなんだろうなぁ・・・・・と思って著者プロフィールを見たら、もう50代。
50代で、この作風か・・・と思ったら、2作目を読むという選択肢が消えました。




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『小さな会社のすごい社長!』
- 2019/02/10(Sun) -
羽山直臣 『小さな会社のすごい社長!』(フォレスト出版)、読了。

以前勤めていた会社で、社長が「ランチェスターの法則が・・・・」と言い出したことがあり、
当時、経営企画部に居たので、その言葉を受けて中期経営計画を描いたりしてました。
でも、仕事の忙しさにかまけて、実は、ランチェスター戦略について、
ちゃんと勉強しないままに中計を書いてました。
・・・・すみません。

で、結局、するずると勉強しないまま今に至っています。
本作をブックオフで見つけた時も、メインタイトルは特段何とも思わなかったのですが、
サブタイトルに「ランチェスター法則」とあったのを見つけて、
それが引っかかって、買ってきました。

最初に、著者による本作のスタンスの説明がありますが、
ランチェスター戦略を駆使して成功した中小企業の社長16人の
実践内容を解説した本ということです。

ランチェスター戦略についての体系だった解説はされていないので
まずは入門書を読んでから本作にかかると良いと思いますが、
紹介されている16事例は、どれも社長の思いがひしひしと伝わってきて、
信念があれば状況は打開できるんだなと実感できます。

私の感想としては、ランチェスター戦略が最強の戦略かどうかは別として、
組織のリーダーが信念をもって戦略を立て、1つ1つの戦術を愚直に実行したとき
成功が訪れるんだなと思いました。
仮に、最初に立てた戦略が間違っていて、当初は上手くいかなかったとしても、
信念があれば、「なぜ上手くいかなかったのか」「どこを改善すればよいのか」と
すぐに反省と改善に立ち向かえるように思います。

結局、自分で決めた施策を真面目に一生懸命毎日取り組めるかという覚悟の問題と、
PDCAをどこまで徹底的に回せるかという信念の問題だと思いました。

たまたま本作で紹介された社長さんたちは、ランチェスター戦略に出会って
それを信念に今まで事業に取り組んできたのだと思いますが、
仮に、別の経営戦略の考え方を採用していたとしても、
彼らは何らかの形で成功できたのではないかなと思います。

私自身、会社を作って動かしてみて日々感じることですが、
結局は、自分がどれだけ真剣にその会社の事業と向き合い、お客様と向き合い、
従業員と向き合えるかということに尽きるように思います。

本作に登場してくる16人の社長さんからは、様々なことを学べました。
単なる戦術や施策のレベルの話だけではなく、
覚悟とか信念とかいうレベルで、熱いものが詰まっている本でした。




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『地球温暖化論に騙されるな!』
- 2019/02/09(Sat) -
丸山茂徳 『地球温暖化論に騙されるな!』(講談社)、読了。

食傷気味になって放置していた地球温暖化関連の本たち。
そろそろ消化していかないとなぁ・・・・・ということで手にとってみました。

丸山センセの本は、前に新書で読んだことがありますが、
その時に感じた「論考が雑」という感想は、今回も変わらず。
ちょっと端折り過ぎな感じがします。

特に本作で目新しい論点が提起されているわけではなく、
一般的な温暖化論懐疑派の人たちの言っていることをまとめている感じです。
「端折った」と感じた部分が、初めてこの手の本を読む人にとっては「簡潔で分かりやすい」と
なるのかもしれません。

個人的に興味深かったのは、最終章の「人類の知恵と未来」。

西洋の教育にあって、日本の教育にないものは「哲学」

(日本は)「技術=Technology」を「科学=Science」だと誤解して取り入れてしまった

こういう観点での話は、もっと読んでみたいなと感じました。
いっそ、このテーマで一冊書いてもらえないでしょうかね。




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『君の膵臓をたべたい』
- 2019/02/08(Fri) -
住野よる 『君の膵臓をたべたい』(双葉文庫)、読了。

ブックオフに平積みされていました。
タイトルは前から知っていたものの、現物を見ると「ラノベっぽいな」と感じてしまい
買おうかどうか迷いましたが、「食わず嫌いもなぁ・・・・」ということでお試し購入。

主人公は、他人と関わることが嫌いな高校生男子。
本ばかり読んでいて、図書委員を務めています。
そんな主人公が、盲腸の手術の後の抜糸で訪れた病院の待合室で
置き忘れられていた日記を見つけた。「共病文庫」と書かれたその日記には、
自分が余命1年の膵臓がんであることが書かれていた。
そこへ、日記を取りに戻ってきた人物は、同級生の元気いっぱいの明るい女の子だった・・・・・。

この展開は、正直ご都合よすぎだなと思いましたし、
その瞬間から彼女が主人公を全力で友人にしようとしていく展開が何とも急で、
病気の内容の割には、躊躇いとか熟考とかがないように感じられたので、
最初は物語に入っていけず、受け身の読書が続きました。
2人の会話が粋がっているようにも感じられ、「なんだか中二病的」と思ってしまったのも原因かも。

しかし、他人との関りを拒否して生きてきた主人公が、
彼女と時間を共有し始めたことで、彼女の人間関係の中の同級生たちが
少しずつ主人公と(嫌々ながらも)接点を持ち始めたり、意識し始めたりして、
主人公のもつ世界が外と繋がり始めていきます。
そんな状況に警戒し、うんざりする主人公ですが、その反応の仕方がなんだか共感できて、
主人公が新たな人間関係に対処していく様子に興味を持って読んでいくことができました。

私自身、いろんな場所に出かけて、新しい人と話をするのは苦ではないですし
好きな方だと思うのですが、深い人間関係って、あんまり好きではなくて、
広く浅くがモットーです。仕事に必要な程度の関係にとどめておきたいという感じでしょうか。
なので、自分が必要とする深さ以上に他人が関わってくると距離を置きたくなってしまいます。
そこが、この主人公と似ているなと(笑)。

主人公と彼女の会話も、最初は演出過剰でちょっと鬱陶しいなと思ってしまいましたが、
だんだん慣れてきて、そのテンポの良さにはまってしまいました。
主人公と彼女の間に信頼関係が構築されていくのに伴って、
読んでいる私も、その会話に信頼が置けるようになったからかなと思います。

正直、ストーリー自体は、若者が重病にかかる闘病モノの王道で、
そこに『死ぬまでにしたい10のこと』とかの要素を盛り込んだ程度で、
それほど捻りのあるものではないように思いました。
が、私は恋愛要素とか特に気にせず、人間関係の構築にのみ興味を持って読んでいたので
ストーリーの弱さは気になりませんでした。
ただ、「共病文庫」をもっと効果的にストーリーに組み込むこともできたんじゃないかなとは思いました。
最初に主人公にちらっと見せただけで、あとは彼女に独占させるという流れは
最後に効果的な演出になるでしょうから、それはそれで良いにしても、
もう少し普段から主人公にその存在を意識させても面白かったかなと。
最後、主人公とお母さんの間で交わされた言葉の数々、
そして主人公の心の中であふれ出た言葉の数々は、心を打ちました。

あまり、こういう闘病恋愛もの(これでジャンル合ってます?)は読んだことがなかったので
新鮮に興味深く読ませてもらいました。




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『博士の本棚』
- 2019/02/07(Thu) -
小川洋子 『博士の本棚』(新潮文庫)、読了。

小川洋子さんが本への愛情を綴ったエッセイだと、裏表紙に書かれていたので
これは読みたい!と思い、買ってきました。

が、思いのほか、読書全般というよりは、個々の作品に寄った内容で、
しかもそれが海外の作品中心だったので、自分の読書ジャンルと違っていて
なかなか内容に入っていけませんでした。

「そう、それそれ!」みたいな共感できるポイントが無いというか、
「どんな物語なんだろう?」とイメージしようとしても追いつかない悲しさというか、
残念ながら、「あ、この本おもしろそう!」と触手が動くものがありませんでした。

途中、愛犬の話とかが挟まって、
むしろ、そこで、「あぁ、共感できるエッセイがやっと来た・・・」という感じで
一番楽しく読んだかもしれません。

個々の作品への思い入れよりも、
もうちょっと著者の読書スタイルなり、読書から得ていることとか
そういう部分を読みたかったなという気持ちになりました。

ただ、

本を読んでいるところを人に見られるのは何でもないが、
選んでいる姿を見られるのはどことなく恥ずかしい

という気持ちは、とても良く分かります。
こういう観点のエッセイを読みたかったな。




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