『うめ版』
- 2017/06/28(Wed) -
新明解国語辞典、梅佳代 『うめ版』(三省堂)、読了。

ウメカヨ写真集のインパクトもなくなってきたなぁ・・・・・と思ってたら、
隣に「新明解国語辞典×梅佳代」という、気になる著者名が。

中を見てみると、
新明解の言葉解説に沿えて、
梅佳代さんらしい写真がドーンと。

言葉通りの場面の写真であることもあれば、
変化球の写真もあったりして、楽しめました。

活字中毒の私としては、
やっぱり文字が並んでいると、読んでいて想像力が広がって
楽しい気分になります。


うめ版 新明解国語辞典×梅佳代うめ版 新明解国語辞典×梅佳代
新明解国語辞典 梅 佳代

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『ウメップ』
- 2017/06/28(Wed) -
梅佳代 『ウメップ』(リトルモア)、読了。

調べ物をしに図書館へ行ったのですが、
なんだかやる気が出なくて、カウンター横の写真集コーナーでぶらぶら。

手に取りやすい写真集ということで、
お気楽なウメカヨ作品をば。

相変わらず、子供たちと爺ちゃん婆ちゃんが
楽しそうに写っている写真集です。

さすがに最初のインパクトはなくなってきましたが・・・・。


ウメップウメップ
梅 佳代

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『湯の宿の女』
- 2017/06/27(Tue) -
平岩弓枝 『湯の宿の女』(角川文庫)、読了。

お初の作家さんです。

表紙のイラストから歴史ものかと勘違いして読み始めたら、
現代の温泉宿の女中さんの話からスタート。
現代の短編集でした(苦笑)。

1本1本は短めなのでサクッと読めますが、
最後のオチがどうにも弱い印象です。

ズルズルっと終わっちゃう感じでしょうか。

舞台設定も時代を感じるものが多く、
距離を感じてしまいました。

時代物の方が、変に時間の壁を感じずに済むかもしれませんね。


湯の宿の女 新装版 (角川文庫)湯の宿の女 新装版 (角川文庫)
平岩 弓枝

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『昨夜のカレー、明日のパン』
- 2017/06/26(Mon) -
木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』(河出文庫)、読了。

ヒットしたので気になっていた一冊。

25歳で亡くなった男の周囲の人間たちを描いた
連作短編集です。
時間軸が結構前後するので、
「あぁ、そういう風につながっていくのね」という
人間関係の妙を楽しむことができます。

冒頭の1章は、亡くなった男の父と妻の話。
もう一緒に住む必要はないのに、ずっと一緒に住み続けている2人。
義父のことを「ギフ」と呼ぶ嫁。不思議な関係です。
そして第2章は、この嫁と今の恋人との関係について。

設定は面白いのに、なんだか今一つ乗り切れないのは、
どうも登場人物たちの思考回路が理解できないこと。

480万円も詐欺に合っていることがバレたのに結婚を申し込もうとする男。
詐欺被害について恋人から責められているのに、スイーツに気持ちがいってしまう男。
そんな男を、なんだかんだで結局許してしまう女。
もー、どいつもこいつも理解不能。

まともそうだったギフも、若い女に騙されて家出してるし、
共感できるキャラクターが登場してきません。

1つ1つの話の設定は興味深いし、
各話がリンクしていく構成もうまく作られていると思うのに、
共感できないという残念さ。

もともと脚本家さんだという著者ですが、
映像化したら、もうちょっと共感できるようになるのかしら。


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『改革断行』
- 2017/06/25(Sun) -
ばばこういち 『改革断行』(KKゼスト)、読了。

三重県の北川県政時代の改革についてまとめた本。
もう、20年近く前の話になるんですねぇ・・・・・。

北川改革を描くにあたり、
北川知事の取材を中心に置くのではなく、
その側近たちへの取材を通して、北川県政のあり方を描いていきます。

なにかにつけて地味な三重県において、
この側近たちが意外と曲者ぞろいというか、
アクの強い人が集まっている印象です。

総務部長だった村尾氏については
前に著作を読んだことがあったので知っていたのですが、
叩き上げの県職員の方々の本音のコメントを取っていて、
そこが面白かったです。

まぁ、一般職員ではなく、昔から異端児とみなされていた
変わりもん職員の言葉なので、どこまでが北川改革の効果なのか、
もともとそういう人だったのかという線引きは難しいですが、
しかし、ずぶずぶの県職員が、こういうインタビューに本音で答えているのは、
県庁の風通しが良くなったからなんだろうなと思います。

今の三重県庁とは、私も仕事でのおつきあいがあるのですが、
北川県政のときほどの緊張感ではないのだろうなと思いつつ、
でも、その時に培った行動力みたいなものが、今の鈴木県政でも
土台になっているのだろうなと思います。

もうちょっとガツガツした職員さんがいても良いかなとは思いますが。

トップが変われば組織が変わるということを
証明してみせた首長さんだと思います。


改革断行―三重県知事北川正恭の挑戦改革断行―三重県知事北川正恭の挑戦
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『古地図で楽しむ三重』
- 2017/06/24(Sat) -
目崎茂和 『古地図で楽しむ三重』(風媒社)、読了。

眼にも楽しそうだったので買ってみました。

社寺参詣曼荼羅から始まり、
絵巻物、鳥瞰図、測量図など次第に精緻化されていく過程が楽しめ、
また、各地図に描かれた当時の人々の暮らしも知ることができ、
眼でも情報でも楽しめる一冊でした。

紹介される時代があちこちに飛ぶので、
三重県の歴史がざっと頭に入っていないと混乱しちゃうかもしれませんが、
地図を目で追って行けば話の内容は理解できるので
相応に楽しめると思います。

真珠養殖の話とか、軽便鉄道の話とか
ちょっとマニアックなテーマも興味深かったです。


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目崎 茂和

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『さすらい波太郎』
- 2017/06/23(Fri) -
高橋治 『さすらい波太郎 熊野灘対決』(読売新聞社)、通読。

「熊野灘対決」というサブタイトルに、
三重・和歌山沖での釣り対決のお話かぁ・・・・と思い買ったのですが、
男同士の戦いというよりも、横からチャチャを入れる女の方が目立っていて
全然、釣り対決っぽくないです・・・・・。

シリーズもののようで、登場人物たちの関係性もキャラクター説明も
必要最小限で冒頭に書かれているだけなので、
この作品から読み始めると、不案内です。

何より、文章が読みづらい。
主人公・波太郎の一人称で進んでいくのですが、
あまりにもアクが強くて、言葉が目を滑っていく感じです。

そして肝心の熊野灘対決は、
本の1/3あたりで終わってしまい、中盤から舞台はアメリカへ。
いろいろと想定外の読書でした。


さすらい波太郎―熊野灘対決さすらい波太郎―熊野灘対決
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『和菓子のアン』
- 2017/06/22(Thu) -
坂木司 『和菓子のアン』(光文社文庫)、読了。

デパ地下の和菓子屋のアルバイトを選んだ女の子が主人公。
そのバイト先で遭遇する不思議な出来事の謎を解く短編集ですが、
日常ミステリというよりは、私はお仕事小説として楽しみました。

デパ地下における営業前の準備状況や閉店後の片付けの様子、
シフト体制やデパート社員、テナント社員、アルバイトなどの関係性、
デパート隠語から和菓子隠語まで、
結構、情報が豊富で面白かったです。

日常ミステリとしては、謎がファンタジー過ぎというか、
リアリティがない感じがして、そこはちょっと読み飛ばし気味だったりして(苦笑)。

和菓子屋「みつ屋」の店長、社員、バイト2名のそれぞれが
個性豊かというよりは、これまたリアリティのないアクの強さで、
物語自体が浮き上がっちゃってたのは残念でした。

高卒の娘が就職活動もせずにフリーターになっちゃったのに、
お母さん、まったく危機感ないのねぇ・・・・・とか
余計なところが気になっちゃったり。

でも、このリアリティのなさが、
サクサク読めるテンポを生み出していたのも確か。

お気楽小説として読むには、お手ごろだと思います。


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坂木 司

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『明日の空』
- 2017/06/21(Wed) -
貫井徳郎 『明日の空』(創元推理文庫)、読了。

貫井さんっぽくない作品でした。
叙述トリックといい、青春モノといい、イメージと違います。

文章自体はサクサク読めますし、
帰国子女の女の子が、大したトラブルもなく日本の高校生活に溶け込み、
いじめも受けずに友達を作っていくという展開は、
ちょっとキレイ過ぎて物足りなかったのですが、
ちょいちょい腑に落ちない展開が残されていき、
どんな風な真相になるのだろうかと続きが気になり、一気読み。

第1章は女の子目線の高校生活、第2章は男性目線の六本木ナイト、
第3章は再び女の子目線の大学生活、
この3つがどう繋がっていくのか・・・・・。

第1章と第2章の間で、誤解を生むような仕掛けがなされており、
第3章で真相が分かった時には、「そういうことかー!」となりましたが、
日本人と帰国子女と外国人の間に引かれてしまう線というか、
差別意識や苦手意識みたいなものについて、
それほど踏み込んだ感想が得られるかというとそうでもなく、
叙述トリックモノとしての楽しみ方しかできなかったなというのが正直な感想です。

貫井作品なら、もう一段の深みが欲しかったところです。
叙述トリックとしては面白かったですけどね。


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貫井 徳郎

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『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』
- 2017/06/20(Tue) -
上野千鶴子、古市憲寿 『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』(光文社新書)、読了。

ギョッとするタイトルですが、
上野女史の『おひとりさまの老後』という本を受けてのものだそうで、
商売っ気のあるタイトルです。

上野女史は、主義主張はともかくとして現状分析や考察力の鋭さ
ピカイチの社会学者だと思いますので、介護について語ってもらうのは
興味深いなと思いました。

一方で、古市さんについては、雑誌のコメントやテレビのコメントを見ていて
あまり良い印象を持っていなかったので、
対談形式という点で、買うか否か迷ってしまいました。

が、いざ蓋を開けてみれば、
古市さんがイマドキの何も知らない何も考えない若い男の子を上手く演じていて、
上野女史の社会分析をどんどん引き出していきます。
対談形式ですが、先生と生徒という役割をお互いが上手く演じているので
読みやすい形になっています。

こうやって、自分に与えられた役割をきちんと演じられるという点で、
メディアにとって使いやすい学者さんなんでしょうね、古市さんは。

で、肝心の内容ですが、
介護に関する制度や文化、そして不安の本質について語られています。
私は今38歳ですが、両親は60代後半と60代前半。
今はまだ元気ですが、ここ3年ほどで、何だか急激に衰えてきたような気がしています。
もしここで何か大きな病気やケガをしたら、どうやって介護すればよいんだろう?
という不安が、だんだんと現実味を帯びて迫ってくるようになりました。

なので、この対談で語られている古市さんの言葉は、
自分の不安の具体化につながり、
上野女史の言葉は、その不安に応えてくれるものでした。

とにかく、現状をきちんと理解して、
使える制度は賢く使い、使いにくい制度は変える努力をし、
変えるときに変な理想論を振りかざさずに現実に即した議論をする。
この冷静な対応が必要なんだなと肝に銘じました。

ただ、制度については理解すれば活用できるので
そこの不安はいくらか解消されましたが、
冒頭の古市さんの質問状にある「親子関係の結び直し」については、
私は正直、自信がないです。たぶん、介護問題の一番の不安は私の場合ここにありそうです。

これまで、両親の庇護のもとに生きてきて、
大学卒業後は自分の稼ぎで生計を立ててきたとはいえ、
陰に陽に両親が私を気にして支えてくれ、守ってくれたからこそ
大過なく生きてこられたのであって、介護によりその立場が逆転する、
私に守るものが生まれて、さらに私を守ってくれる力が弱まるという事態が
心細いのだと思います。
私は、自分の子どもを持たないので、なおさら、誰かを守るという行為が
身についていないために恐怖を感じるのかなと、腹がくくれていないのかなと思います。

ま、いざという時には、頭で考えるよりも、
介護の具体的な行動としてやらなくてはいけないことが押し寄せてきて
悩む前に行動しなければいけない状況に追いやられるような気もします。

いずれにしても、「知っておく」ということは、心構えをするうえで大事なことだろうなと思います。

最後、学者の姿勢として、
無知な人に真実を告げて、社会の歪みを知らしめてしまったがために
それまで知らずにのほほんと生きてきた人を不幸にしてしまうのではないか・・・・・
という心配事が語られていましたが、
これは、私も大学生の頃に感じていたものでした。

真実を知れば世界はどんどん開けていくけど、
知りたい人だけが知れば良いんじゃないかと。
知りたい気持ちがない人は、下手に知らない方が幸せなのではないかと。

本作では、上野女史は、「まず事実を知ることが大事」と喝破しており、
知って選択することが大事だと述べられています。
知らないことには何も始まらない、確かにその通りです。
でも、知れば選択できるようになるのか、そう簡単なことでもないと思います。
知ることと選択することの間に、もっと段階があるように思えるので、
そこをどうしたらよいのか、一緒に教えてあげることが必要なのではないかと思いました。


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