『古地図で楽しむ三重』
- 2017/06/24(Sat) -
目崎茂和 『古地図で楽しむ三重』(風媒社)、読了。

眼にも楽しそうだったので買ってみました。

社寺参詣曼荼羅から始まり、
絵巻物、鳥瞰図、測量図など次第に精緻化されていく過程が楽しめ、
また、各地図に描かれた当時の人々の暮らしも知ることができ、
眼でも情報でも楽しめる一冊でした。

紹介される時代があちこちに飛ぶので、
三重県の歴史がざっと頭に入っていないと混乱しちゃうかもしれませんが、
地図を目で追って行けば話の内容は理解できるので
相応に楽しめると思います。

真珠養殖の話とか、軽便鉄道の話とか
ちょっとマニアックなテーマも興味深かったです。


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目崎 茂和

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『さすらい波太郎』
- 2017/06/23(Fri) -
高橋治 『さすらい波太郎 熊野灘対決』(読売新聞社)、通読。

「熊野灘対決」というサブタイトルに、
三重・和歌山沖での釣り対決のお話かぁ・・・・と思い買ったのですが、
男同士の戦いというよりも、横からチャチャを入れる女の方が目立っていて
全然、釣り対決っぽくないです・・・・・。

シリーズもののようで、登場人物たちの関係性もキャラクター説明も
必要最小限で冒頭に書かれているだけなので、
この作品から読み始めると、不案内です。

何より、文章が読みづらい。
主人公・波太郎の一人称で進んでいくのですが、
あまりにもアクが強くて、言葉が目を滑っていく感じです。

そして肝心の熊野灘対決は、
本の1/3あたりで終わってしまい、中盤から舞台はアメリカへ。
いろいろと想定外の読書でした。


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高橋 治

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『和菓子のアン』
- 2017/06/22(Thu) -
坂木司 『和菓子のアン』(光文社文庫)、読了。

デパ地下の和菓子屋のアルバイトを選んだ女の子が主人公。
そのバイト先で遭遇する不思議な出来事の謎を解く短編集ですが、
日常ミステリというよりは、私はお仕事小説として楽しみました。

デパ地下における営業前の準備状況や閉店後の片付けの様子、
シフト体制やデパート社員、テナント社員、アルバイトなどの関係性、
デパート隠語から和菓子隠語まで、
結構、情報が豊富で面白かったです。

日常ミステリとしては、謎がファンタジー過ぎというか、
リアリティがない感じがして、そこはちょっと読み飛ばし気味だったりして(苦笑)。

和菓子屋「みつ屋」の店長、社員、バイト2名のそれぞれが
個性豊かというよりは、これまたリアリティのないアクの強さで、
物語自体が浮き上がっちゃってたのは残念でした。

高卒の娘が就職活動もせずにフリーターになっちゃったのに、
お母さん、まったく危機感ないのねぇ・・・・・とか
余計なところが気になっちゃったり。

でも、このリアリティのなさが、
サクサク読めるテンポを生み出していたのも確か。

お気楽小説として読むには、お手ごろだと思います。


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『明日の空』
- 2017/06/21(Wed) -
貫井徳郎 『明日の空』(創元推理文庫)、読了。

貫井さんっぽくない作品でした。
叙述トリックといい、青春モノといい、イメージと違います。

文章自体はサクサク読めますし、
帰国子女の女の子が、大したトラブルもなく日本の高校生活に溶け込み、
いじめも受けずに友達を作っていくという展開は、
ちょっとキレイ過ぎて物足りなかったのですが、
ちょいちょい腑に落ちない展開が残されていき、
どんな風な真相になるのだろうかと続きが気になり、一気読み。

第1章は女の子目線の高校生活、第2章は男性目線の六本木ナイト、
第3章は再び女の子目線の大学生活、
この3つがどう繋がっていくのか・・・・・。

第1章と第2章の間で、誤解を生むような仕掛けがなされており、
第3章で真相が分かった時には、「そういうことかー!」となりましたが、
日本人と帰国子女と外国人の間に引かれてしまう線というか、
差別意識や苦手意識みたいなものについて、
それほど踏み込んだ感想が得られるかというとそうでもなく、
叙述トリックモノとしての楽しみ方しかできなかったなというのが正直な感想です。

貫井作品なら、もう一段の深みが欲しかったところです。
叙述トリックとしては面白かったですけどね。


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『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』
- 2017/06/20(Tue) -
上野千鶴子、古市憲寿 『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』(光文社新書)、読了。

ギョッとするタイトルですが、
上野女史の『おひとりさまの老後』という本を受けてのものだそうで、
商売っ気のあるタイトルです。

上野女史は、主義主張はともかくとして現状分析や考察力の鋭さ
ピカイチの社会学者だと思いますので、介護について語ってもらうのは
興味深いなと思いました。

一方で、古市さんについては、雑誌のコメントやテレビのコメントを見ていて
あまり良い印象を持っていなかったので、
対談形式という点で、買うか否か迷ってしまいました。

が、いざ蓋を開けてみれば、
古市さんがイマドキの何も知らない何も考えない若い男の子を上手く演じていて、
上野女史の社会分析をどんどん引き出していきます。
対談形式ですが、先生と生徒という役割をお互いが上手く演じているので
読みやすい形になっています。

こうやって、自分に与えられた役割をきちんと演じられるという点で、
メディアにとって使いやすい学者さんなんでしょうね、古市さんは。

で、肝心の内容ですが、
介護に関する制度や文化、そして不安の本質について語られています。
私は今38歳ですが、両親は60代後半と60代前半。
今はまだ元気ですが、ここ3年ほどで、何だか急激に衰えてきたような気がしています。
もしここで何か大きな病気やケガをしたら、どうやって介護すればよいんだろう?
という不安が、だんだんと現実味を帯びて迫ってくるようになりました。

なので、この対談で語られている古市さんの言葉は、
自分の不安の具体化につながり、
上野女史の言葉は、その不安に応えてくれるものでした。

とにかく、現状をきちんと理解して、
使える制度は賢く使い、使いにくい制度は変える努力をし、
変えるときに変な理想論を振りかざさずに現実に即した議論をする。
この冷静な対応が必要なんだなと肝に銘じました。

ただ、制度については理解すれば活用できるので
そこの不安はいくらか解消されましたが、
冒頭の古市さんの質問状にある「親子関係の結び直し」については、
私は正直、自信がないです。たぶん、介護問題の一番の不安は私の場合ここにありそうです。

これまで、両親の庇護のもとに生きてきて、
大学卒業後は自分の稼ぎで生計を立ててきたとはいえ、
陰に陽に両親が私を気にして支えてくれ、守ってくれたからこそ
大過なく生きてこられたのであって、介護によりその立場が逆転する、
私に守るものが生まれて、さらに私を守ってくれる力が弱まるという事態が
心細いのだと思います。
私は、自分の子どもを持たないので、なおさら、誰かを守るという行為が
身についていないために恐怖を感じるのかなと、腹がくくれていないのかなと思います。

ま、いざという時には、頭で考えるよりも、
介護の具体的な行動としてやらなくてはいけないことが押し寄せてきて
悩む前に行動しなければいけない状況に追いやられるような気もします。

いずれにしても、「知っておく」ということは、心構えをするうえで大事なことだろうなと思います。

最後、学者の姿勢として、
無知な人に真実を告げて、社会の歪みを知らしめてしまったがために
それまで知らずにのほほんと生きてきた人を不幸にしてしまうのではないか・・・・・
という心配事が語られていましたが、
これは、私も大学生の頃に感じていたものでした。

真実を知れば世界はどんどん開けていくけど、
知りたい人だけが知れば良いんじゃないかと。
知りたい気持ちがない人は、下手に知らない方が幸せなのではないかと。

本作では、上野女史は、「まず事実を知ることが大事」と喝破しており、
知って選択することが大事だと述べられています。
知らないことには何も始まらない、確かにその通りです。
でも、知れば選択できるようになるのか、そう簡単なことでもないと思います。
知ることと選択することの間に、もっと段階があるように思えるので、
そこをどうしたらよいのか、一緒に教えてあげることが必要なのではないかと思いました。


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『二十一世紀に向けた三重の被爆者の伝言集』
- 2017/06/19(Mon) -
三重県原爆被災者の会 『二十一世紀に向けた三重の被爆者の伝言集』、読了。

原爆投下から55年目の年に作られた本。

「伝言」という形式で、被爆者自身が書いた文章が
何の編集もされずに、誤字も直されずに、そのまま掲載されています。

被爆されたご本人そのままの言葉なので、
短い中にも迫力があります。

詳しく語る人もいれば、
思い出したくもないと口を閉ざす人もいる。
しかし、皆の思いは、二度と繰り返してはいけないということに至るのでしょう。

この本の出版時から、さらに17年の時が経ていますが、
今の時点で、このように語ることができる被爆者の方は
どのぐらいいらっしゃるのでしょうかね。
55年というのは、中途半端な年のように見えて、
当事者の年齢を考えると、重要な区切りだったのかもしれませんね。

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『魚の便利帳 全国お魚マップ&万能レシピ』
- 2017/06/18(Sun) -
高橋書店編集部 『魚の便利帳』(高橋書店)、読了。

いただき物の本。

全国の美味しい魚、季節ごとの美味しい魚、
そして、その美味しい食べ方を紹介しているガイドマップ。

この本を片手に全国を食べ歩く旅をしても良し、
自分の家の台所で魚料理に勤しむも良し、
自分に合った形で魚料理と慣れ親しむことができると思います。



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『地域ブランドを引き出す力』
- 2017/06/16(Fri) -
金丸弘美 『地域ブランドを引き出す力』(合同出版)、読了。

様々な町おこしの取り組みを紹介した本。

日本全国津々浦々の様々なレベル、様々な形の取り組みを
幅広に紹介しているので、
「こんなやり方があるのか」という勉強になります。

ただ、紹介事例数が多いので、
各事例はそれほど突っ込んだ内容になっておらず、
概要説明の域にとどまります。

なので、苦労した点、上手く行った理由、他地域との差別化を意識した点など
知りたい情報にまでは届くことができません。

ま、視察先を選ぶうえでのガイドブック的な役割でしょうかね。


地域ブランドを引き出す力―トータルマネジメントが田舎を変える!―地域ブランドを引き出す力―トータルマネジメントが田舎を変える!―
金丸弘美

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『失われたミカドの秘紋』
- 2017/06/14(Wed) -
加治将一 『失われたミカドの秘紋』(祥伝社文庫)、読了。

近所のおばちゃんが貸してくれた本。
「一体どんな興味関心があるんだ!?」と驚きましたが、
どうやら息子さんが帰省した時に置いていったたしく・・・・・(苦笑)。

「天皇の由来を暴く!」としてHPを立ち上げた歴史愛好家が自殺した。
友人の歴史作家は、殺人なのではないかと疑問を抱き、
独自に調査を始めることに・・・。

まぁ、調査と言っても、事件の方の調査ではなく、
歴史愛好家が暴こうとした真実の方の調査なので、
推理サスペンスではなく、歴史サスペンスです。

ヤマトから西へと調査を進めていくと、
やがてエルサレムに繋がっていき・・・・・という壮大な歴史推理です。
小説の態は取っていますが、正直、小説としてはこなれていないので、
「結局自殺は何だったんだ?」「襲われたのはどうなったんだ?」と
モヤモヤが残ります。

なんで、この本は、歴史推理部分のみを読んでいくしかないです。
途中、歴史推理自体も何だかだれてきた印象でしたが、
最後の、大和言葉とヘブライ語が結びついていくという推理は
話半分に聞いている分には面白かったです。

歴史学者の間での評価は知りませんが、
ま、そういう説があっても面白いよね・・・・程度で。

時代を遡れば遡るほど、物理的な証拠は少なくなっていくわけで、
自分なりの読み方ができるということのが
歴史愛好家がはまるポイントなのでしょうね。


失われたミカドの秘紋 エルサレムからヤマトへ--「漢字」がすべてを語りだす! (祥伝社文庫)失われたミカドの秘紋 エルサレムからヤマトへ--「漢字」がすべてを語りだす! (祥伝社文庫)
加治 将一

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『みっともない老い方』
- 2017/06/13(Tue) -
川北義則 『みっともない老い方』(PHP新書)、読了。

なんだか凄いタイトルの本ですが、
近所のおじさんにもらいました。

短いエッセイで構成されているので、
文章自体は読みやすいのですが、
なんか説教臭くて、ちょっと苦手な内容でした。

大爺さん(著者)がお爺さん候補者(読者)に向けて
上から目線で説教を垂れているような印象を受けるので
あんまり気持ち良い読み物ではありませんでした。

著者の爺さんになりたての頃の失敗談とかを紹介して
後輩たちよ、同じ過ちを犯すなよ・・・・という温かい語り掛けだったら
だいぶ印象は違ったと思うのですが、
あれをしろ、これはするなという指示が続くので、
読んでいてしんどいのかな?と思いました。

まあ、私は中高年でも男性でもないので、
想定される読者層からは外れているわけですが、
50代オジサマたちが読んだら、特に説教臭さは気にならないものなのでしょうかね?


みっともない老い方 60歳からの「生き直し」のすすめ (PHP新書)みっともない老い方 60歳からの「生き直し」のすすめ (PHP新書)
川北義則

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