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『せんせい。』
- 2022/05/20(Fri) -
重松清 『せんせい。』(新潮文庫)、読了。

ザ・重松作品!という感じの
小学校や中学校、高校の先生を主人公にした短編集です。

こういう作品を読むたびに、「先生とは子供の成長に寄り添えるやりがいのある仕事だなぁ」ということより
「先生って一人一人の個性に対応しなきゃいけないから大変だなぁ」ということの方を
強く感じてしまいます。
仕事に対する責任感以上に、教師という職業に聖なるものを感じて信じていないと
とても心も体も持たないよなぁ・・・・・と。

医師も同じようなところがあると思いますが、
自分の努力の結果が治療結果という成果に繋がる度合いが
教育結果という成果に繋がる度合いに比べて、まだ大きいような気がします。
患者の方が素直に指示を聞く人が多そうだし、治したいという前向きな気持ちで努力する人が多そうな
そんな気がします。
それに比べて子供を教えるというのは、相手の反応の読みにくさが大きそうに感じます。
今は、親もわがままですしね。

本作に収められた短編集では、先生は、若いときにはいろいろあったにしても
それなりに自分らしく子供のことを考えて教育の現場に立っているように感じましたし、
悩みながらも前を向いている感じが心地よいなと思いました。

そして、それに向き合う子供たちも、どこか大人な目線を持ち合わせていて、
先生を思いやる気持ちと、先生への本音の評価が心の中に住み合わさっている様子も
共感するところが多く、小説の世界に浸ることができました。

高校野球の世界と闘病ものがミックスされた「泣くな赤鬼」は、
王道過ぎるぐらい王道な作品でしたが、泣けました。
先生も誠実だし、生徒も自分の人生に誠実です。

そして、一番印象に残ったのは「にんじん」。
20代の若手教師が、初めて受け持った6年生のクラスで、
前任のベテランで子供たちに強く信頼されていた教師を超えようと、
最初は真っ当な方法で挑みますが、次第に手段を択ばない方法で教室運営をするようになり、
その過程で一人の生徒が犠牲になります。
教師のしたことは、いじめと言ってしまえばいじめになるのでしょうけれど、
でも、教師の心情もどこかわかるような気がします。
集団になれば、一人ぐらい合わない子も出てきますよね。
どんな物語の展開になるのかなと思ったら、最後、その犠牲者に思いを述べる場を作ってあげる展開で
そのストーリー構成に、作者は子供たちに対して優しいなと感じされてくれる作品でした。




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『あきらめない』
- 2022/05/18(Wed) -
鎌田實 『あきらめない』(集英社文庫)、読了。

8割がた読み終わった本を実家に置き忘れてしまい、
次に半分ぐらいまで読んだ本を外出先に置き忘れてしまい、
つまみ食いみたいな読書ばかりで、なかなか投稿できず。

本作は、ブックオフの50円ワゴンからドカ買いしてきた中の一冊で
しばらく積読になってました。なにが気になって買ってきたのか記憶がなく、
著者も「名前聞いたことがあるけど誰だっけ?」みたいな状況で、
読み始めて、「あ、お医者さんか、聞いたことあるな」という状況でした。

終末医療における患者と家族と医師と看護師の気持ちの持ち方みたいな話が多かったですが、
みんな強いよなーと思ってしまいました。

そもそも、こんなにも患者に寄り添った医療提供を行うには
医師や看護師の覚悟が相当ないとできないと思いますし、病院の経営側の理解もないと
難しいと思います。
そして、そういう部分がクリアしても、患者と家族が我儘なだけだと成り立たず、
お互いの信頼関係がないとできないよなーと。

医療にプライドを持っている人たちと共に、表現は変ですが、
患者としてのプライドを持っている人である必要があるだろうなと感じました。
自己主張をするだけというのは恥ずべき姿勢と反省し、医療体制の限界の部分について理解し、
可能な範囲で自分の思い描く生活ができる形を実現していくという
冷静な判断力が必要だろうなと思います。

この本の中には、終末医療の理想形のようなものがたくさん出てきますが
自分がそういうものを求めるのであれば、患者としてのプライドを適切に持てる人間に
成長していかないといけないのだろうなと。

よりより最期を得るためには、それまでの間に、自分自身が成長し
よりよい人間になろうと努力していることが大事だなと感じました。




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『一橋ビジネスレビュー2021夏』
- 2022/05/16(Mon) -
『一橋ビジネスレビュー2021夏』、通読。

特集は「研究力の危機を乗り越える」ということで、
主に日本の大学における研究力の低下もしくは実績の積み上げ力の低さを論じています。
あんまり、今の私に刺さってくるテーマではなかったので、流し読みになってしまいました。
どうせなら、1本ぐらい、一橋大学自身の直近の研究実績を評価する論文がほしかったですわ。
それこそ身を切る研究をね。

興味深く読んだのはビジネスケース研究。
一つ目は「大丸松阪屋百貨店」。
私は、会社勤めの時も百貨店さんと営業部門を介して間接的にお仕事をさせてもらっており、
今、自分で事業をするようになってからは直接お取引先様として繋がるようになったのですが、
百貨店さんって、本当に、社風というか、組織文化の違いがはっきりしていて、
特に合併したりすると、社風のぶつかり合いをもろに肌で感じます。
三越さんと伊勢丹さんとか、その店舗のこのフロアをどっちが仕切ってるか空気で分かります。
今回のケースでは、人事制度改革に焦点を絞って述べていますが、
制度よりももっと骨身に染みている企業文化の統合をどうやるのか、そこに目が行きました。

もう一つのビジネスケースは、キリンビールの「タップマルシェ」。
私、ビールが大好きで、東京に住んでいたころはビアバーとかに時々行ってましたが、
三重県に移ってからは、そんなオシャレな場は四日市ぐらいにしかなく・・・・・と悲しんでいたら、
タップマルシェを導入するお店が増えてきて、よく利用するようになりました。
4種類のクラフトビールが選べますが、お店の方でも、定番2種と新ネタ2種みたいな感じで
うまく商品を切り替えてくれるので、お店に行くたびに新しいビールが楽しめ、
一方でお気に入りのビールも常時楽しめて、気に入ってます。
小ロットで多くの銘柄をそろえてペットボトルで供給するというスキームを最初に知ったとき
「キリンは、やっぱり凄い会社だ!」と感動しました。
今回のケースでは、そのスキームをどうやって構築していったかがきれいに整理されており
感動再び!という感じでした。
自社の売り上げをいかに伸ばすかという近視眼的な考え方だけでなく、
日本人、特に若者のビール離れをどう食い止め、ビール好きをどう育てるかという
ビール業界全体の将来を考えているキリンビールという会社がますます好きになりました。




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『「気の使い方」がうまい人』
- 2022/05/15(Sun) -
山崎武也 『「気の使い方」がうまい人』(三笠書房)、読了。

「気の使い方」についての具体事例が100個ほど紹介されている本。

特に体系だったものではなく、思いつくまま挙げました・・・・みたいな感じですが、
まぁ、マッサージチェアでポコポコ肩たたきしてもらいながら読むには
適当な本でした。

紹介されている事例が普遍的に通用するものかは分かりませんが、
そういうところに目を配る気持ちの余裕があると、上手く立ち回れるだろうなと感じました。




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『カーテンコール』
- 2022/05/14(Sat) -
加納朋子 『カーテンコール』(新潮文庫)、読了。

ちょっと間が空いてた加納作品

経営不振で閉校が決まった女子大学において単位不足で卒業できず
半年間の補習講義を、理事長自ら実施することになり、
そこに集められた10名強の落ちこぼれ女子大生たち・・・・・。

この設定から、コメディ要素の強い作品かなと思っていたら、
いきなりLGBTで性自認に悩み、コミュ障となってしまった女の子(心は男の子)の話から始まり、
当人の深刻な悩みが素直に描写されていくので、
「おぉ、重い展開の話だわ・・・・」とやや読書の腰が引け気味になりました。

次の章では、睡眠障害のような症状をもつ女の子が主人公で、
ここまで読んで、「あ、この作品は、何らかの心の病や体の病を抱えて正常な社会生活が
送りにくくなってしまっている女の子たちの物語なのか」と納得。
とても現代的なテーマを扱った作品なんだと認識しました。

そして、彼女たちの問題解決に温かく見守るような姿勢で、しかし全力で取り組むのが、
人生のベテランである理事長、その奥さんの寮母さん、そして盟友の校医さんら。
この学園側のスタッフたちが、厳しくも温かいんですよねー。

結局、現代の社会問題のような病は、周囲にこのような愛情深い人たちが居ないがために
孤独な環境から発症し悪化していってしまうのかなーと感じました。
各章の主人公となる女の子たちの苦しみの原因が、
主にその家庭環境から来ている様子も丁寧に描かれており、
家庭の中で孤独だったんだろうなー、周囲の家族に悪気がない分なおさら孤独なんだろうなーと
思い至りました。

物語は、理事長たちの活躍により温かい雰囲気で幕を閉じますが、
現実社会のことを考えると、なかなかに暗い気持ちになってしまう社会派の作品でした。




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『夫の墓には入りません』
- 2022/05/13(Fri) -
垣谷美雨 『夫の墓には入りません』(中公文庫)、読了。

社会問題をコメディタッチに描く著者にとっては
得意分野と思わせるタイトルです。

40代の夫がホテルで急死。残された妻は、出張先の東京で亡くなったと思っていたら、
会社近くのホテルで亡くなったということで、急に浮気疑惑が浮上。
さらに、夫の両親がこれまで以上に主人公を嫁として家に縛ろうとして
いろんな形で介入してきます。

舞台が長崎で、夫の実家は地元の資産家で名の知られた立場ということで、
地方だと、夫が亡くなってもこういう義理の家族との付き合いはありそうだな・・・・と
想像の範囲ですけど納得感高かったです。
実際、私の周りでも、旦那さんを早くに亡くした後も婚家にとどまっているお嫁さんも居ますし。

私は他人から干渉されるのが嫌なので、そもそも結婚生活は無理だと思ってるのですが(苦笑)、
夫が亡くなった後にもこんなに生活に干渉されるのはごめんだな・・・・と思いましたが、
でも、読んでいて、そんなに不快な気持ちにならなかったのは、
夫の両親もその親族も、多少は自分勝手なところがあったとしても、
根本のところに悪意がないというか、よりよい将来を・・・と思っての行動なので、
うまいところに着地してほしいなぁ・・・・と思いながら読んでました。

中盤、いろんな介入が積み重なって主人公が自分の両親に向けて爆発しちゃうんですが、
ここで父親が冷静に対応して、娘の爆発にもちゃんと諭して落ち着かせて、
大人の頼れる男って感じで驚きました。
まぁ、接客業で身を立てている人らしい人間洞察力なのかも。

終盤、父親が問題解決に動き出し、上手く行き過ぎなくらいに進んでいくのですが、
人間関係というのは真正面からぶつかって本音を伝え合うことも大事なんだなと思いました。
その時に、自分の要望を言うのではなく、自分がどう感じているのかを言えという教えも
はぁ、なるほどなぁ、という感じでした。
ま、現実世界ではここまで上手くはいかないと思いますが、
この心構えは役に立ちそうです。

主人公が、新しい恋に早々に踏み出していくのは、
まぁストーリーの味付けとしては必要だったのかなと思いますが、
「お父ちゃんを裏切るなよ~」と思ってしまいました。

主人公の人の好さにつけ込んでの恋愛沙汰でしたが、
親を悲しませるようなことはしてはいけないよ、親はいつでも自分の味方なんだから、
ということを、自分自身の自戒の意味も込めて感じた読書となりました。




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『実行力』
- 2022/05/12(Thu) -
橋下徹 『実行力』(PHP新書)、読了。

最近、あちこちで炎上してますね、橋下さん(苦笑)。
ウクライナ関連の発言や中国関連の発言は「炎上」の範囲内だと思いますが、
今問題になっている上海電力の件は、炎上というより疑惑ですよね。
結構ヤバそう。

もともと橋下さんの、それこそ「実行力」は信頼してました。
実際に維新の会が大阪の財政状況の立て直しを進めており、その端緒は橋下さんが作ったものだと思います。
「実際に改革をしたのは松井さんや吉村さんだ!」という反論もあるのかもしれませんが、
でも、維新による改革の最初のムーブメントは、やっぱり橋下さんの功績だと思います。
松井さんだけでは実力があっても地味なので市民や府民の気持ちに火をつけられたか疑問ですし
吉村さんは、橋下さんや松井さんによる抜擢があってこその活躍のように思います。

なので、橋下さんが政治家を引退したときは残念だなと思いましたし、
その後もネットニュースでその発言は結構追いかけていたつもりです。
政界に近いところから発言することで、良い影響を与えてくれたらなと期待していたのですが、
先日の北村弁護士との対談番組を見て、「あー、こんな人になってしまったのか・・・・」と
正直、気持ちが冷めてしまいました。

北村弁護士の発言を遮る、上から被せるように大声で発言する、「違う違う」と連呼する、
顔をしかめる、睨むようなきつい目つきをする、そして、ぐいぐい酒を飲む。
建設的な議論だったり、自分の意見をきちんと説明しようとしたりする姿勢には見えませんでした。
北村弁護士を論破し、「すみません」もしくは「わかりません」と言わせようというところが
ゴールになっているような対決姿勢に見えました。

そんな残念な気持ちで、積読だった本作が目に留まったので読んでみました。
大阪市長に初当選してから、政治家引退をするまでの数年間に
実際に大阪市や大阪府の行政の長として取り組んできたことを、
具体的な実例をもとに、どういうスタンスで仕事に当たってきたかを説明しています。

もし、北村弁護士との対談動画を見ていなかったら、本作の感想は今まで通り、
「やっぱり橋本氏の決断力や実行力、腹のすえ方は凄いなぁ」と感心して終わってたっと思うのですが、
今回の読書では、「なんで、あの動画ではあんな姿勢だったんだろう?」とモヤモヤしてしまいました。

読み終えて何となく感じているのは、行政が抱えているような課題は、
「金が足りない」「人手が足りない」「能力が足りない」「理解が足りない」というような
ある程度、課題が数値化できたり誰が評価しても課題として認識できたりして
客観的に課題の度合いが共有できるので、「この課題に取り組むぞ!」とリーダーが意思決定し
部下からすると、リーダーが腹くくって取り組むというなら自分も仕事として頑張ろうと受け入れ、
皆が入れ動き始めたら、ちゃんと成果が出るという、ある種、分かりやすい構造にあるのかなと。

それに比べて、今、炎上している案件は、どちらかというとイデオロギーに根差した価値観が
大きく影響している事象(ウクライナ人は侵略にどう向き合うべきか、中国は「悪」なのか等)のようで
人により、立場により、見解が180度変わるようなものなので、行政課題の解決のような
一人のカリスマが「こうだ!」と高らかに発言しても、解決するどころか議論に燃料投下するような
そんな感じになってしまうのかなぁと。
さらに、橋下さんは口が悪いので、一層燃えやすいのかなと。
そしてプライドが高いので、他者からの意見には超絶キツイ言葉で反論するので、一層一層燃えるという。

維新の会との関係も切れてしまった今、親身になってこの難局を助けてくれる人が
どれぐらいいるんだろう?と心配にすらなってしまうほど。
まぁ、維新の会も「もう関係を持つのはデメリットの方が多い」と判断してのことかもしれませんが。






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『最高の雑談術』
- 2022/05/11(Wed) -
外山滋比古 『最高の雑談術』(扶桑社文庫)、読了。

偶然のめぐり逢いを表す「セレンディピティ」が、よりたくさん自分に起きるようにするには、
雑談の場を意識的に設けて、多くの人と会話を交わすべきだ・・・・という本。

最初、いわゆる本をジャンル問わずに読む「乱読」と比べて、
いろんな人といろんなことを自由に話す「乱談」の方が
より「思わぬアイデアとの遭遇」があるから良いよ!という話を
講演ではなく著作で広めようとするところになんだか矛盾も感じますが(爆)、
まぁ、でも、著者の言う「乱談のススメ」はよく分かります。

以前、先輩から、「自分のやりたいことは、いろんなところで口に出せ。
誰がどこで応じてくれるかわからないから」と言われ、なるほどなと思いました。
誰かの耳に入って実現する機会が得られるかもしれませんし、
口に出すことで自分も責任感を高めることができますからね。
このイメージがあったので、何かを誰かに伝えると、巡り巡って、何か良い結果に結びつくという
幸運の呼び込み方のようなものが納得できました。

著者の主張は、もっと相互方向的な会話のイメージで、
いろんな人の口から飛び出してくる情報が、自分の脳を刺激したり、
お互いのアイデアを高めあったりして、面白い成果が生まれるという感じかと思いますが、
それもその通りだなと思います。

会社で真面目に段取りに沿って会議をしているときよりも、同僚ととりとめもない雑談しているときの方が
変なアイデアが出てきたりして面白かったりしますものね。

納得感は高い本でしたが、でも、やっぱり、それを著作で伝えるという矛盾が可笑しい(笑)。




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『日本列島プチ改造論』
- 2022/05/10(Tue) -
パオロ・マッツァリーノ 『日本列島プチ改造論』(角川文庫)、読了。

ちょい毒の効いたお気楽エッセイだろうと手に取ったのですが、
予想以上に軽い内容でした・・・・トホホ。

大和書房のサイトに連載されていたものをまとめた本ということですが、
1章ごとの分量が短くて物足りないです。

そして、一応の設定が、「ナポリ3区から参議院選に出馬する著者による日本の改革提言」という
ものになっているのですが、そこまで徹底されているわけでもなく、
章によっては小さい視点の話だったり、何章も続けて一つのテーマを述べていたり。

山椒は小粒でもピリリと辛い的なエッセイを期待しましたが、
イマイチでした。




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『企業参謀』
- 2022/05/09(Mon) -
大前研一 『企業参謀』(講談社文庫)、読了。

薄い本でしたが、とても勉強になる要素がたくさん詰まった一冊でした。

経営分析本などを読むと、「利益率が低い企業は・・・」「ROAが高い企業は・・・・・」みたいな
指標の高い低いの傾向を解説して終わってしまうことが多いのですが、
本作では、指標の表すことを、きちんと日本語の文章に落とし込んで表現しているので
すっと頭に入っていきます。

さらに「中規模の会社の方が、大規模や小規模の会社よりも収益性が悪い。
多角化を中程度に進めると収益性が悪化する」などと解説していて、
「要は中途半端に事業を大きくすると収益性が悪化するのか!」と理解でき、
産業の構造を大まかに捉えることができる指摘が多数ありました。

どういう順番で経営指標を評価していくべきか等をロジックツリーで示したり、
伝えたいことを簡単なグラフで視覚的にパッと示したり、
コンサルらしい視覚的な整理のテクニックもたくさん見ることができました。

ノートにまとめながら、もう一度読み返して勉強したいと思います。




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