『よくわかる食品業界』
- 2016/09/26(Mon) -
芝崎希美夫、田村馨 『よくわかる食品業界』(日本実業出版社)、通読。

ちょっと仕事の関係で業界の概観を捉えたかったので読んでみたのですが、
うーん、あまりに総花的で得るものがありませんでした。

広く浅く・・・・・・確かに概観をつかむには必要な観点なのですが、
情報の質が、Wikipediaにすら到底及ばないような掘りの浅さで
読んでいて面白いと思える解説がどこにも見当たらなかったです。

非常に残念。


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『マザコン』
- 2016/09/25(Sun) -
角田光代 『マザコン』(集英社文庫)、読了。

様々な形での「母と子」を描いた短編集。

やはり、自分の目線としては、
娘の立場から母親の姿を見た作品が気になります。

特異なキャラクターの母親が出てくれば、
「自分の母は常識的で大人しい人で良かった」と思ってしまいますし、
対立する母娘が出てくれば、
「うちはベタベタするような仲の良さはないけど心の距離は開いてないから安心」と思ってしまいます。

そうやって安心する一方で、
「私は母の本音は知らないなぁ・・・・」と感じしまいますし、
「母もきっと私の本音は知らないだろうし、知らないことを認識してそうだなぁ」と感じます。

うちは、あんまり本音で話す母娘ではないですし、
時事ネタとか近所のニュースとかは良く話すのですが、
自分自身の話(特に感情の部分の話)はほとんどしません。

もうそれで三十何年来てしまっているので
今更、どうこう変えたいという思いもなく、
この距離感がちょうど良いと私は思っているのですが、
いざ、母が無くなる瞬間が訪れたときに、
母のことを知らないことに動揺してしまうのではないだろうかという不安を
少し感じてしまった読書となりました。

そんな瞬間が訪れるのは、まだまだ先の話だとは思いつつも、
ちょっと気になる宿題を残されてしまった気分です。


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『本居春庭』
- 2016/09/24(Sat) -
山田勘藏 『本居春庭』(鈴屋遺蹟保存会)、通読。

祖父の本棚にあった一冊。

本居宣長については、いずれちゃんと勉強しなきゃなぁ・・・・と
思いながらも、ほとんど手つかずの状態が続いています。

で、息子さんについての本があったので、
とりあえずそちらから目を通してみました。

が、やはり間接的な興味では、読みこなすのが難しかったです。
・・・・・当たり前ですけど。

父・宣長の大きな期待を背負いながら、
失明という病魔に冒され、家督を譲るという目に遭った春庭。

しかし、失明前には父の口述筆記などを担い
多くの文章を記録に残したほか、
失明後も文法の研究で功績をあげるなど
努力の人であり、後世のために業績を残す人だったのだと分かり
地味ながらも自分の道をしっかりと歩むことの大切さを実感しました。

伊勢商人の血を引く本居家にふさわしい
手堅さが感じられる人物像でした。


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『赤目四十八瀧心中未遂』
- 2016/09/22(Thu) -
車谷長吉 『赤目四十八瀧心中未遂』(文春文庫)、読了。

直木賞を受賞したとき、「あ、三重県が舞台だ!」と印象に残りました。
が、「心中」と来ると、そのような情念世界が苦手なため、
作品として手に取ることをためらっていました。

その後、映画がヒットした時も、
なんだか情念ドロドロな画面の感じが苦手で、見ずじまい。

ようやく、今回、100円で見つけたタイミングで読んでみました。

まず驚いたのは、文章のリズム感の心地よさ。
独特な漢字表現と相まって、濃い日本語の世界に浸ることができます。

一方で、大阪の底辺部の世界をのぞき込んでいるという怖さ。
リズムは心地よいけれども、これ以上読み進めたら、
突然真っ暗な闇が広がっているのではないかと思えてしまう世界観。

部屋にこもって焼き鳥のモツの仕込みをし続ける主人公の狭い視野の範囲で
物語が語られていくため、劇的な事件が目の前で起きることはなく、
その変化の乏しい日々が、これまた、いつか世界が爆破するのではないかという
ドキドキ感が増幅していきます。

終盤、パタパタっと世界が動いていき、
いつのまにか赤目口に降り立った主人公とアヤ。
尼崎から赤目までの一気に世界が動ていく感覚から一転して、
赤目四十八滝を歩く2人の穏やかな感覚。

昔、赤目四十八滝には遊びに行ったことがあるのですが
その清涼感は素晴らしものでした。
尼崎で体にまとわりつき、こびりついた泥を落とすことができそうな
それほどの清々しさを感じる滝々の道です。

最後、この終わり方は、様々な展開の想像を可能にするものだと思いますが、
冷静に考えると暗い展開が待ち受けていると思われるのに
なんだか読んだ印象は明るい光を感じるものでした。

この光は何だったのでしょうか。

これも、深い森にある赤目の滝が与えてくれた光なのでしょうか。



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『東南アジア四次元日記』
- 2016/09/21(Wed) -
宮田珠己 『東南アジア四次元日記』(幻冬舎文庫)、読了。

著者が会社を辞めるきっかけとなった東南アジア旅行のお話。

すでに著者の本を何冊か読んでいるので、
こういう旅行をする人だという前知識があって
旅の話にふんふんと入っていけるのですが、
よくよく考えてみると、半年間旅行をしたいからという理由で職を手放すのは
相当な覚悟が伴う決断だろうなと。

この本でもさらっと書かれていますが、
旅のために会社を辞める一連の流れを
ガッツリとエッセイで読めたら面白いだろうなと期待しちゃいました。

さて、本作での旅行の内容ですが、
香港、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー、マレーシアと巡っていきますが、
とにかく、あちこちの変なものを必死に見て回っています。

特に、いくつかの変な寺院が印象に残ったのですが、
何でそんなもの作るの?という目的不明のモノから、
何でそんな表現をするの?という見せ方不明のものまで、
アジアらしいケバさとクドさが畳みかけてきます。

東南アジアの奥の深さというか、
真っすぐじゃない世界観というか、
ま、「四次元的な」空間が堪能できるエッセイです。

写真もふんだんに収められており、目でも楽しめます。
というか、写真がなければ信じられないような世界が広がっています(笑)。


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『幸せになっちゃ、おしまい』
- 2016/09/19(Mon) -
平安寿子 『幸せになっちゃ、おしまい』(幻冬舎文庫)、読了。

小説作品で見せるウィットに富んだ会話や女の性をシニカルに分析する視線が
エッセイでも楽しめるかな?と期待して買ってきましたが、
冒頭で3.11の原発問題などの話しが出てきて、
あれれ?なんだか重たいな・・・・・と。

すると今度は、自身の旅行エッセイ等の章になり、
重さはなくなったものの、おばちゃんのお小言みたいな印象で、
小説作品が持つポップな感じがあまりありません。

小説では、主人公たち20代や30代の女性の少し上の世代の人が
書いているのかな?と思うぐらいの、自然な若々しさやポップさがあるのに、
エッセイでは露悪的なぐらいおばちゃん風を吹かせており
イメージが全然違いました。

後半に増えてくる、社会を考察したエッセイは、
視点の面白さや、世相を切り取った絶妙な言い回しが、
平女史らしい面白さだなと、やっと思えるようになりましたが、
エッセイ集として全体を眺めると、
なんだか非常にちぐはぐとした印象を残す一冊でした。


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『いのちの食べかた』
- 2016/09/18(Sun) -
森達也 『いのちの食べかた』(角川文庫)、読了。

中学生向けに、主に屠場の話を中心に、
食肉業というか、生き物が食べ物になるまでのプロセスを描いた本。

子供に向けた本ということで、最初に思い出したのが
小学生向けに食肉の授業を行った『ブタがいた教室』
この作品は、設定があざとくて嫌らしいなと感じてしまったのですが、
取り扱かっているテーマ自体は大切な話です。

次に思い出したのが、大学時代に講義の課題図書で読んだ『ドキュメント屠場』。
正直、屠場という場を認識したのは、この時が初めてでした。
まさに、本作の著者が言うように、課題図書として読めと言われなければ
一生気にせずに暮らしていたかもしれません。

そんな気づくきっかけを与えてくれる本として、
本作は、中学生というより早い時期の子どもたちに向けて書いているという点で
大事なものなんだろうなと思います。

語りかけ口調がちょっと鼻につくようにも思ったのですが、
中学生にこのようなテーマで話をするには、やはりこんな柔らかさが必要なのでしょうかね。
もっとストレートに硬質な文章で突きつけた方が、
変な感情を与えずに読めるのではないかなと思いました。

この語りかけ口調のせいか、内容があちこちに飛んで断片的なような気がして
最後に残る印象が、差別の話だけになってしまっているような印象でした。
本作を切っ掛けにより深い本を読んでいくというのなら良いですが、
テーマがテーマだけに、本作のみの読書で終わった場合に
知識がまだらになっているのではないかなと少々懸念しました。


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『猫と針』
- 2016/09/17(Sat) -
恩田陸 『猫と針』(新潮文庫)、読了。

恩田作品にしては薄い本だなぁ・・・・
と思って買って来たら、戯曲でした。

5人の登場人物による密室劇+独白。

90分の芝居だったということで、
同じぐらいの時間で読み終えることができました。

不安を煽るような伏線があれこれ張られているのですが、
いまいち大きな展開がないまま、
シンプルな形で回収されていく感じで、ちょっと消化不良。

第一場の舞台設定と展開に、
「こりゃ、ドロドロとした大変なことが起こりそうだ!」と非常に期待したのですが、
不発のまま終わってしまいました。

劇そのものを楽しむというよりは、
戯曲の前後に挿入された著者による戯曲制作日記を楽しむような作りになっており、
小説家としては、ちょっと逃げているような印象も受けました。

芝居作りの舞台裏を知りたいという方には、
非常に面白い作品なのではないでしょうか。


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『海の短編集』
- 2016/09/15(Thu) -
原田宗典 『海の短編集』(角川文庫)、読了。

エッセイの方は、ちょっと素直に読めなくなってしまったのですが、
小説なら大丈夫かな?と挑戦。

非常に短い作品がたくさん収められています。

ふわっと始まり、ふわっと終わる。
余韻を楽しむ作品集です。

海の心地よさが、うまく反映されているなと感じました。

海辺のテラス席で読みたかった一冊です。


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『玄宗皇帝』
- 2016/09/14(Wed) -
伴野朗 『玄宗皇帝』(徳間文庫)、読了。

いただきものの本。
中国の歴史に特に関心がないので、本をいただかない限り
自分では勉強しないジャンルです・・・・。

則天武后と楊貴妃は、さすがに私でも知っている
中国の女傑というか毒女というか・・・・ですが、
玄宗皇帝を間に介して、かなり近い距離の2人だったんですね。
全く別の時代の登場人物だというふうに理解してました(苦笑)。

則天武后、楊貴妃、それぞれの政治力を見せつけるエピソードが
ふんだんに散りばめられていますが、
自分の行動が周囲にどのような影響を与え、物語がどう展開していくか、
それを読んで判断する力が凄いです。
そして、その判断に際して、過去のしがらみを断ち切って冷淡に判断を即決できるのは
女傑の恐ろしくも有能なところだと思いました。

エピソードは面白く読んだのですが、
小説作品としては、ちょっと読みづらかったです。
個々のエピソードの間を繋ぐストーリーの滑らかさがない感じです。
バラバラの事象を繋ぎ合わせているような。

あと、代名詞が誰のことを指しているのか把握しづらく、
ちょっと著者の日本語が私には合わない感じでした。


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